口臭治療を希望する患者さんには口臭そのものに対してかなり深刻に悩んで来院する方とエステ感覚で最高のおしゃれとして来院する方がいらっしゃいます。

当医院では様々なニーズに対応できるように個人個人の目標に合わせて個別の治療プログラムを組んで段階的に無理なく治療を進めていくようにしています。治療の最終目標はいかなる状況においても口臭を無臭の状態にコントロールすることであると考えています。

口臭治療は単に口臭を強い薬によって押さえ込むことではありません。口臭をコントロールするということは全身の生理機能を高めて精神的肉体的に健康な状態を維持していくことにも繋がります。また、歯科的には口臭をコントロールすることは虫歯、歯周病の発生、進行を抑えることに繋がりますので、最高の予防歯科であると考えています。

1．事前調査

口臭治療を始めるに当たって1週間の食生活、口臭の状態を生活調査票にできるだけ詳しく記載して頂きます。口臭は食生活、生活習慣、口臭の認識度、心理的状態によってかなり変化しますので、正確な診断をする上でとても大切なことであると考えています。

2．問診

事前調査をもとに、さらに詳しく口臭の悩みをお聞きして問題点を整理します。

3．検査

[1]レントゲン検査、口腔内診査

口臭の原因が歯科的問題にあるのか、その他にあるのかを診断します。

[2]口臭測定器による検査

[3]唾液検査

唾液は口臭の発生と密接に関係しています。この検査では唾液の分泌量、酸を中和する能力（緩衝能）を測定します。また、同時に唾液の性状を観察して口臭の原因を探ります。

[4]尿検査

口臭の原因が全身的な疾患に起因する場合があります。この検査によりそのスクリーニングを行います。

※1年以内に人間ドック等の健康診断を受診している方はその結果で尿検査を省略することができます。

[5]舌の検査

舌を観察することにより全身状態を把握し、口臭の原因となる舌苔、舌粘膜の状態を調べます。

[6]官能検査

実際の口臭の状態を知るために術者が直接鼻で口臭を嗅いでみてその強さ、においの種類等を調べます。器械で測定することは客観的なデータとして意味はありますが、最終的には実際に人間が臭いをどのように感じるかが問題でありますのでこの検査はきわめて大切であると考えています。

4．診断

口臭の原因は歯科的、全身的、精神的な問題が複雑に関連しています。各種検査の結果を分析して総合的に判断します。

5．治療

治療で最も大切なことは患者さん自身が自分の口臭の原因と発生のメカニズム、並びに対処法を十分に理解して継続し実行していくことであると考えています。少しでも不安が残ると口臭は完全にコントロールできません。そのために当医院ではカウンセリングを重視しています。1回目の治療が終了した時点でその日から無臭にすることができます。口臭は測定器械で数値が低くなっても患者さん自身が納得できなくては治療が終了したとは考えていません。あらゆる条件下でも無臭な息をコントロールできるように徹底的に指導、管理していきます。