その他診療について
虫歯と歯槽膿漏の原因は口腔内の細菌です。原因がわかっている疾病は必ず予防できます。当医院ではまず虫歯、歯槽膿漏の発生のメカニズムを理解して頂いた後に、その対処法を説明して実行して頂いています。また、希望者には3DS(Dental Drug Delivery System)による虫歯、歯槽膿漏等の治療も行っています。
3DSとは簡単に説明すると、歯面を完全に清掃してきれいにした後にあらかじめお口の型を採って制作したマウスピースのようなものの中に薬剤を入れて歯面並びに歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)に作用させることにより唾液で薬剤が希釈されることなく薬効を発揮させ虫歯や歯周病の細菌をやっつけてしまおうという一連のやり方のことです。
このことにより、虫歯の原因であるミュータンス菌が歯面に定着できなくなり虫歯が予防できます。また、歯周病に応用すると薬剤が唾液で薄められず歯周ポケットに作用するので効率的に歯周病の原因菌を少なくすることができます。
虫歯、歯槽膿漏、歯肉炎の直接的な原因は細菌です。
唾液の性状並びに安静時の唾液の量を調べる
その細菌がいろいろな疾患を引き起こすためには様々な要因が複雑に重なっています。すなわち口腔内に細菌がいたとしてもその数が少なければ特に問題が起こらないということです。
たとえば虫歯の原因としては代表的な細菌としてはミュータンス菌が挙げられます。この細菌は砂糖などを材料にして乳酸という酸を創りだし、歯を溶かします。これが虫歯の発生の仕組みですが、唾液の機能が良ければ乳酸の濃度を害のないところまで希釈して中和することができるので虫歯にはなりません。唾液の量が少ない人、中和する能力(唾液緩衝能)の弱い人が虫歯になりやすいのです。それでは唾液の量が少なく、中和する能力が弱い人はどうしたら虫歯を予防できるのか。その答えが予防歯科ということになります。
唾液の量、緩衝能(中和する能力)を測定
もし検査の結果唾液の量が少ない人は少しでも唾液の量が多くなるように機能訓練、口腔乾燥を防ぐための口呼吸防止の訓練、自律神経を整える訓練(唾液の分泌は自律神経が支配している)を行います。中和能力の弱い人は歯が溶けやすいのですから細菌の数を少なくするために徹底的なブラッシング法の習得、定期的なプロフェッショナルクリーニング、フッ素塗布による歯面強化、食後の水による中和法の習得、奥歯の溝の予防的な充填、食生活指導、ガムによる訓練、中和能力を補うためのリンスの使用等を行うことにより虫歯発生のリスクを最小限にすることができると考えています。
歯槽膿漏、歯肉炎の予防については、細菌の数をコントロールしていくことは虫歯予防と同様に大切ですが、糖尿病等の歯周病と関連性が高い全身疾患の管理の重要性を十分に認識してもらい内科との連携も必要であると考えています。
また、歯周病はかみ合わせと非常に関連が深く細菌のコントロールと同様にかみ合わせのバランスを整える(外傷性咬合による歯周組織の破壊を予防)ことが重要です。この点を踏まえて入れ歯、ブリッジ等を設計することも予防歯科の一環であると考えています。さらに、歯ブラシのしやすい歯並びを誘導し、バランスの良い咬合を育成してことも虫歯、歯周病を予防することにつながると確信しています。
いびき、睡眠時無呼吸症候群はともに舌が奥の方に下がって気道を狭くすることにより起こります。いびきをかいて眠っている人を見るととても気持ちよさそうに見えますが、実は呼吸が十分にできなくなって窒息しかけている状態に近く、深い睡眠が得られないために疲れがとれず慢性的に体がだるかったり、疲れやすかったりとあまりいい状態だとはいえません。深い睡眠がとれないと体の発育、血液の再生、ホルモンのバランス、自律神経の調和等を妨げますので免疫が低下しいろいろな疾患を引き起こすことがあります。だだ、何となく眠いだけではありません。
治療法は主にスリープスプリントを用いますが、この装置は下顎が奥の方に下がらないように上と下の顎をマウスピースのようなもので固定して眠るようにした単純な原理のものですが、効果は抜群です。ちなみに掲載した写真は私が愛用しているスリープスプリントです。いびきで睡眠が妨げられている人は是非試してみてください。
一晩(7時間)の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上おこる。
または、睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が5回以上おこる。
歯科治療は主に虫歯・歯槽膿漏等の疾患を治すためにだけではなく、歯並びや歯の色・形・気になる銀歯等の見た目を直して精神的なコンプレックスを解消し、より生活の質を向上させるため、または美容の目的(コスメ)で行う審美歯科があります。当院の審美歯科の特徴は、かみ合わせを考慮した機能美を兼ね備えた治療を追求していることにあります。単なるコスメ的な治療ではなく、個人の骨格・顎関節の動き・口腔の筋肉バランスを考慮した機能的な審美歯科治療を行っています。
歯並びに問題がある場合は、矯正歯科治療により歯を削らないで美しい歯並びを目指すことも出来ます。矯正治療後に全ての銀歯や着色した詰め物を、強度があり着色しにくいイーマックス(e.max)やジルコニアセラミックに置き換え、全体的な歯の白さを統一するためにホワイトニングを行えば理想的な審美歯科治療といえるのではないでしょうか。当院では矯正歯科治療を始め審美歯科治療等全ての歯科治療において、無痛治療(痛みや恐怖を最小限にする治療)を日々実践しています。一度きりの人生です。美しい口元でエンジョイしましょう。
当院で対応可能な審美歯科治療
歯のホワイトニング(歯の漂白)、歯の表面の色素除去、ジルコニアセラミッククラウン、イーマックス(e.max)、メタルボンドクラウン、ラミネートベニア法、セラミッククラウン、ハイブリットセラミッククラウン、オールセラミッククラウン、CAD/CAM冠、マウスピース型矯正治療(インビザライン)、部分矯正治療(前歯のみの矯正治療も可能)、全体的な矯正治療(咬合平面と咬合高径を最適化した機能的で筋肉のバランスを考慮した本格的な治療が可能)
ホワイトニングの種類
1.歯科医院で受けるオフィスホワイトニング
2.自宅で行うホームホワイトニング
3.オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの併用
薬剤は、高濃度の過酸化水素を使用します。
<メリット>
短期間でホワイトニング(脱色)できます。
<デメリット>
ホームホワイトニングよりも色が戻りやすい。
薬剤は、低濃度の過酸化尿素を使用します。
自宅で行うホワイトニングです。まず、歯型をとり、患者さんの歯並びに合ったマウスピースを作製します。ホワイトニング用の薬剤をマウスピースに入れ、これを装着することで、ホワイトニング効果を得ます。通常、1日数時間、2~4週間の間、マウストレーを装着します。
<メリット>
低濃度の薬剤を使用するためより安全であり、効果が長く持続する。
<デメリット>
オフィスホワイトニングに比べ、効果が出るまでに時間がかかる。
より効果を高めるために、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングのホワイトニングを組み合わせて行うことも可能です。先ずは、歯科医院でオフィスホワイトニングを行い、その後歯の白さの調整とメインテナンスを兼ねてホームホワイトニングを行っていくことをお勧めしています。
なぜ歯が白くなるか?オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの違いは?
歯の漂白剤に使われるのは、過酸化水素、過酸化尿素などの薬剤です。
ホームホワイトニングで使われている過酸化尿素は、過酸化水素と尿素を1:1の割合で結合させた、安定した過酸化水素です。これが、唾液と接触し体温で分解して、尿素と過酸化水素に分解されます。ここで生じた過酸化水素が分解して生じる活性酸素が歯についた着色物質を酸化・分解して脱色するのです。
最終的に過酸化水素は、酸素と水に分解されますので安全です。よって漂白効果は、過酸化水素の濃度と作用時間に左右されます。
ホームホワイトニングは低濃度・長時間で漂白するものであり、オフィスホワイトニングは高濃度・短時間で漂白するものといえます。
<注意事項>
ホワイトニングによる白い歯は、ホームホワイトニングの場合で1年程度、オフィスホワイトニングは3ヶ月から半年程度と言われています。
ホワイトニングは永久的に白い歯を取り戻せるわけではありません。
当医院では歯科治療に伴う精神的、肉体的負担を軽減するために無痛麻酔テクニック、笑気吸入鎮静法を駆使して治療を行っています。恐怖心が強い患者さんは是非ご相談ください。