空気が乾燥する寒い季節になると心配なのが、空気中に浮遊するウイルス量の増加です。
その為、冬場は毎年インフルンザが大流行し、今年からは新型コロナウイルスの感染拡大も懸念されています。
先日、ニュースで乾燥すると唾液のウイルスを含んだ飛沫がどのように広がるかとても解りやすい説明がありました。
その内容を抜粋して掲載します。
理化学研究所は13日、世界最高の計算速度を誇るスーパーコンピューター「富岳」を使い、飲食時の飛沫の拡散などを計算した結果を公表した。話をする人の正面よりも隣に座る方が、約5倍の飛沫を浴びることが分かった。湿度が低いと飛沫が小さくなり拡散しやすい結果も出た。新型コロナウイルスの冬の感染対策に役立つという。
部屋の湿度でも飛沫の拡散の程度は変わった。せきをした時、湿度が約30%では、口から出た飛沫は乾燥して小さくなる。大きさ0.5マイクロメートル以下の空気中を漂う微粒子(エアロゾル)になり、周囲に拡散した。湿度60%の場合に比べ、1.8メートル先に届く飛沫の量は2倍以上になった。
湿度が約90%の場合、飛沫が乾燥しにくくなり、机の上などに落下する量が増えた。湿度60%の時と比べて、机の上に落ちる飛沫の量は2倍近くになった。
理研の坪倉誠チームリーダーは「部屋の湿度は70%程度に維持するのが適切だ。座る位置にも気を付けてほしい。特に冬場は換気するのが重要だ」と話した。
(日本経済新聞より引用)
如何でしょう。空気が乾燥する冬場は湿度管理が大切になります。
当院では、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルス等の空気感染対策として、春夏秋は余り湿度を上げると不快となるため50〜60%に湿度をコントロルしています。
しかし、寒くて空気が乾燥する冬場は、70%の湿度にコントロールしています。
現在、飛沫拡散対策として待合室と診療室に大型の加湿器を2台設置しています。
(待合室の大型加湿器)
(診療室内の大型加湿器)
その他のウイルス対策としては、
①診療室内の換気の徹底
②ウイルスを含んだ粉塵が飛散しないように各ユニット毎に口腔外バキュームを設置して運用
③ウイルスに効果が認められる空気清浄機を歯科医院内に6台設置
④診療後に朝まで適正濃度で次亜塩素酸水を噴霧して、診療室内の床、カーテン、ブラインド、天井、壁、ドアノブ等からの感染リスクを軽減
⑤カーテン、椅子、テーブル、ドアノブ等は抗菌スプレーでコーティング
⑥診療前には消毒薬でうがいして頂き、口腔内のウイルスや細菌を最小限にする
⑦歯科医院内でのマスク使用の徹底
⑧診療室に入る前には検温と手指のアルコール消毒
⑨医局では換気の徹底とテーブルにアクリル板を設置して、飲食時の感染リスクを軽減
⑩毎朝診療前にスタッフの体調チェックおよび検温の徹底
⑪診療に当たってマスク、フェイスシールド、防護服を着用
等々・・・できる限りの対策を行っています。
新型コロナウイルスに打ち勝ち、歯科医療を通して皆様のお役に立てれば幸いと存じます。
<参考>
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