筋機能矯正装置(トレーナーシステム)を用いた咬合誘導・咬合育成について

安定した噛み合わせとは

安定した噛み合わせを確立するには口腔の筋肉のバランスが大切

MRC(Myofunctional Research Co.)のDVDから引用

前歯は僅か1.7グラムの弱い力が持続的に作用すると動いてしまいます。それに対して下唇は100~300グラムの力、舌は500グラム以上の力を作用させるのです。従って、前歯の歯並びを維持するためには下唇と舌の力のバランスが取れた位置に歯を並べる必要があるのです。


図1 MRC(Myofunctional Research Co.)のDVDから引用して改変

歯列の内側(舌側)から歯列の形をサポートする舌の筋肉の働きが、外側(頬側または唇側)からの筋肉の作用に対して弱いと歯並びは潰されて狭くなり凸凹になります。


図2 MRC(Myofunctional Research Co.)のDVDから引用して改変

歯列の内側(舌側)からのサポートがしっかりしていて、外側(頬側または唇側)の筋肉の力とバランスが取れた状態・・・このためには、舌の位置が大切です。舌の正しい位置とは、舌の先が上の前歯を後ろから押すことなくすぐ後ろの歯肉に触れていて、奥舌が上アゴに吸盤のように吸着している状態をいいます。その位置を「スポットポジション」と言います。例えば口呼吸の人は、何時も口がぽかんと開いた状態で舌が口蓋の歯肉から離れているため内側からの歯列を支えることが出来なくなり歯並びのアーチが潰され前歯が出っ歯になります。当院では、舌のポジションを覚えて貰うために筋機能矯正装置(トレーナーシステム)を使用しています。舌の正しい位置を維持するためには、唇を軽く閉じ鼻呼吸をする事が大切となります。また、舌を挙げる筋肉が弱い患者さんは、口腔筋機能療法(MFT)を行い舌の筋肉を鍛える必要もあります。


図3 口腔周囲筋 MRC(Myofunctional Research Co.)のDVDから引用

当院は、矯正治療後の安定した噛み合わせを確立するために口腔周囲の筋肉のバランスを整え歯を移動させる機能的な矯正治療を大切にしています。