子供の矯正治療をスタートする目安 その 1
「生え代わり時期が来ても、上顎の乳前歯の間に隙間(発育空隙)がない時」

発育空隙(はついくくうげき)とは、乳歯が永久歯へスムーズに生え変わるために必要なスペースで、顎骨の成長によって一時的に歯列に隙間ができる状態です。「みにくいアヒルの子の時期(ugly duckling stage)」とも呼ばれます。この空隙は、あくまで生理的なものなので、永久歯の萌出が完了すると消失していきます。
この他に、小児の歯列に現れる隙間に霊長空隙があります。上顎では乳犬歯の近心(BとCの間)、下顎では乳犬歯の遠心(CとDの間)に有ります。上顎の空隙は乳前歯の交換に下顎前歯は臼歯の交換に使われます。第一大臼歯が萌出すると下顎の霊長空隙は閉鎖されます。ついでに申しますと、この二つの空隙に加えてスムースに歯が生え替わる為にはリーウエイスペースが大切な役目を持っています。乳歯のCとDとE(乳犬歯と第1乳臼歯と第2乳臼歯)の歯の幅がその下からそれぞれ出てくる永久歯の3と4と5(犬歯と第一小臼歯と第2小臼歯)の幅の総和よりも大きいので、乳歯より大きな永久歯が綺麗に並ぶのであります。
リーウェイスペース =(C+D+E) -(3+4+5)
正常な歯列では、上顎で1mm、下顎で3mmのリーウェイスペースが生じます。
スムースな永久歯の生え替わりには、発育空隙と霊長空隙とリーウエイスペースが大きな役目を果たしているのであります。

<参考 1>
永久歯と乳歯の歯式の読み方

(アスクル 歯式図スタンプより)

これらのスペースを理解するためには、2020年7月13日の矯正ブログの症例写真が解りやすいので参考までに掲載します。

<参考 2>
子供の矯正治療をスタートする目安 その 2
「不正咬合に気が付いたとき」
(クリックHere)

なぜ歯並びを治した方が良いの?
歯並びを治すと色々と良いことが・・・(矯正治療のメリット)
(クリックHere)

歯並びが悪い(不正咬合)とは?
不正咬合の種類と問題点
(クリックHere)

 

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石井歯科矯正歯科医院 院長 石井清和