顎が小さく歯が並びそうにない album 176
顎の形は何処まで変えられるのか!
(歯槽骨形態修正の実際) その 55
今回は、顎が小さく歯が並びそうにない小学校二年生の小児の患者さんです。前歯のすきっ歯とかみ合わせを気にして来院しました。初診時、右上の前歯と右下の前歯のかみ合わせが反対です。その為、下の前歯に異常な咬合力(外傷性咬合)が加わり、右下の前歯の歯肉に退縮が見られます。このまま放置すると歯を支える骨(歯槽骨)が破壊され、更に歯肉の退縮が進行してしまいます。この様な前歯のかみ合わせに気が付いたらできるだけ早めに相談ください。早期に矯正治療を始める事により、退縮した歯肉が回復する可能性があります。また、前歯のかみ合わせが反対だとスムーズな顎の運動を妨げますので、顎の関節に負担が加わり顎関節症を引き起こすリスクも高まります。
それでは、実際の治療経過をご覧下さい。
<追伸>
当院の「歯を抜かない矯正歯科の症例写真」です。
このalbumシリーズのコンセプトはalbum1に掲載しています。
歯列矯正治療をお考えの方、是非ご覧ください。
「albumシリーズのコンセプト(2019年3月17日掲載)」
<参考>
矯正症例集閲覧に当たって
顎の大きさを歯槽骨の形態修正によって大きく広げ、適切な咬合誘導・咬合育成を行えば、成長発育期の小児の場合、顎の骨の成長発育を促す事は出来ます。
また、顎骨や顎関節の成長発育が期待出来ない成人においても、ある程度までなら歯槽骨の形態修正によって顎を広げて、歯を並べるスペースを確保することができます。
但し、個人個人の顎の形態・大きさ・歯槽骨の幅・歯軸等は異なりますので、歯槽骨の形態修正には限界があります。
全ての症例が、非抜歯で矯正できるわけではありません。
現在当院では、「できるだけ歯を抜かない非抜歯矯正治療」を実践するために、最新の歯科用CTを導入し、歯の移動を制限する様々な解剖学要因(歯槽骨の幅・歯根の3次元的な位置・顎l骨の3次元的形態・歯根尖と切歯管の3次元的な位置関係等)を慎重に分析しています。
顎が小さくて歯が並ばない時の対処法
①顎を徐々に広げる側方拡大(歯槽骨形態修正)
②臼歯を後方移動
③歯の間をやすりで削り(最大で約0.5㎜)スペースを創るIPR(InterProximal Reduction)
④小臼歯を抜歯して歯を並べる
⑤急速拡大(上顎の正中口蓋縫合が未だ癒着していない小児の上顎を急速に広げ、縫合を開いて新生骨を添加する)
の5つの方法があります。
当院では主に①②③の方法を採用しています。
(上顎大臼歯に近心回転が認められる時は、その改善もスペース獲得には有効)
矯正治療には、いくつかのリスクと副作用が有ります。
矯正治療をお考えの方は、下記の記事をご参照ください。
「矯正歯科治療で生じうるリスクや副作用について」(クリックHere)
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石井歯科矯正歯科医院ホームページ
当院の矯正治療の症例写真を見ることができるホームページです