受け口(反対咬合)の治療は適切な咬合誘導・咬合育成が大切 album 226
今回は、反対咬合を気にして来院した小学校2年生の小児の患者さんについて見ていきます。反対咬合の治療の第一関門はできるだけ早く反対のかみ合わせを改善する事です。当院の治療の特徴は、奥歯のかみ合わせの高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を骨格タイプと顎関節の動きを分析して適正化する事にあります。小児は、顎の骨の大きさだけでなく顎関節も成長発育の途上にあり,顎の関節に負担が掛からない適切な状態を創り出す事により正常な発育を促す事が出来ます。患者さんの中には、既成のマウスピースを入れるだけで簡単に改善するならマウスピースだけ売って欲しいという方もいらっしゃいます。顎関節の動きを考慮して術前にレントゲンとCTを撮影し、顎関節の状態と骨格タイプをしっかり分析診断しなければ、どのタイプのマウスピース型の筋機能矯正装置が最適なのかを選択することは不可能です。どんな不正咬合も一つの装置で改善できる程甘くはないのです。また、正しい使い方が出来なければ徐々にかみ合わせがずれて顎偏位を起こし顔が曲がる顎変形症、顎に痛みや開口障害を引き起こす顎関節症、前歯の開咬等を引き起こす恐れもあります。治療に伴うかみ合わせの変化を観察しながら慎重に咬合誘導・咬合育成を行って行かなければ治療の成功はありません。それでは、1年間の治療結果をご覧下さい。
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治療前の状態をご覧下さい。
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治療開始から1年後の状態です。
今回の症例は十分な顎の大きさがあり鼻呼吸が出来る小児の患者さんでしたので、問題なく1年ほどで1期治療は終了することが出来ました。しかし、下顎の成長発育はまだまだ続きます。身体の成長が終わるまで継続管理していく必要があります。反対咬合が再発する場合は、下顎の前方成長がピークを迎えてから仕上げの2期治療が必要となります。
それでは、実際の治療経過をご覧下さい。
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反対のかみ合わせの改善に伴い、下顎は左側に2㎜程顎偏位を起こしていましたが、自然に改善しました。咬合高径をと咬合平面の適正化によって左右の顎関節に加わる力を均等化する事が大切です。また、口腔筋機能療法(
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奥歯のかみ合わせ(咬合平面)が徐々に変化していく様子をご覧下さい。口腔筋機能療法(
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奥歯のかみ合わせ(咬合平面)が徐々に変化していく様子をご覧下さい。口腔筋機能療法(
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咬合高径の適正化のために一時的に開咬になりますが、徐々に改善して行きます。前歯のの歯軸の変化をご覧下さい。口腔筋機能療法(
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咬合高径の適正化のために一時的に開咬になりますが、徐々に改善して行きます。前歯の歯軸の変化をご覧下さい。口腔筋機能療法(