小児の受け口でも遺伝的な要因が強いと重症化しやすい album 235

今回は受け口と下の前歯のねじれを気にして来院した小学校2年生の小児です。
矯正学的な問題点は、
①低学年でありますが、既に下顎の前方成長が大きく骨格的な問題が認められる(遺伝的な要因が強い反対咬合)
②下顎が左の2㎜ずれている(顎偏位)
③永久歯の歯の大きさが大きく、顎の大きさが足りない(叢生)ため、八重歯や凸凹な歯並びになる可能性が高い
遺伝的な要因が強い骨格的な反対咬合で、将来的に顔が歪む顎変形症になる恐れが大きかったので、奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化しワイヤー矯正で強引に反対のかみ合わせと下顎のずれ(顎偏位)を改善する様な1期治療を約2年間行いました。この後は、ワイヤーを除去して筋機能矯正装置と口腔筋機能療法(MFT)を継続して行い口腔周囲筋のバランスを整え、出来るだけ下顎の成長を抑えて上顎の成長を促す治療を行う事にしました。長期間に及ぶ咬合誘導と咬合育成が必要と思われます。
2年間の治療前後の写真をご覧下さい

左に2㎜ほど偏位していた下顎を後戻りを考慮しオーバートリートメントして、右に1㎜ほどずらした状態まで移動させました。また、遺伝的な要因が大きい反対咬合ですので、今後の成長発育により下顎がかなり前方に発育する可能性が高いと診断されましたので出来るだけ下顎を後退させ、上顎前歯を前方に移動しました。
それでは、約2年間の1期治療の経過をご覧下さい。

photo 1269

下顎のずれは原則的にはかみ合わせの高さが低い方へ移動していきます。咬合高径を適正化して反対のかみ合わせを改善しましたが、下顎の左側偏位が中々改善しませんでした。その為かなり左側のかみ合わせを高くして何とか下顎を右側にずらす事が出来ました。骨格的な要因が大きい反対咬合の顎偏位は、小児といえど中々改善が難しいことが多いと思われます。

photo 1270

奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化する事により、下顎が後方に適応していく様子をご覧下さい

photo 1271

奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化する事により、下顎が後方に適応していく様子をご覧下さい

photo 1272

奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化する事により、下顎が後方に適応していく様子をご覧下さい

photo 1273

奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化する事により、下顎が後方に適応していく様子をご覧下さい

photo 1274

後続永久歯の大きさが大きいので上顎を前後左右に大きく拡大しています。

photo 1275

後続永久歯の大きさが大きいので下顎を左右に大きく拡大しています。

 

<参考>

「矯正症例集閲覧に当たって」(クリックHere)

過去の症例はこちら

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA