咬み合わせが深い反対咬合は下顎の歯肉の退縮に注意 album 242
今回は、反対の咬み合わせを気にして来院した小学校3年生の小児です。術前のレントゲン検査で骨格は、ローアングルタイプで噛む力がかなり強い事が分かりました。その為に、反対の咬み合わせによって下顎の前歯に過剰な力が加わり咬合性外傷が見られます。下顎の中切歯2本が唇側に押し出され歯根が歯槽骨から外側にはみ出し歯肉が退縮している状態です。このまま反対の咬み合わせを放置しておくと、更に下顎の歯肉退縮は進行することが予想されます。初めは筋機能矯正装置だけで反対咬合の改善を試みました。しかし、3ヶ月が経過して若干咬み合わせが浅くなり改善の兆しが見えましたが、このままのペースでは更なる下顎の前歯の歯肉退縮の進行が心配です。そこで、奥歯のかみ合わせの高さ(咬合高径)を挙げることで下顎の加わる咬合力を回避することにしました。その後は順調に反対咬合が改善し、3ヶ月後には反対の咬み合わせが改善しました。小児の場合、歯肉の再生力も高いので下顎の歯肉退縮は改善する思われます。この様に、小児のうちに反対咬合を改善しておかないと下顎の前歯の歯肉退縮は進行して回復不可能となる場合があるので注意が必要です。反対咬合はできるだけ早めに治療を開始し咬合性外傷を引き起こさないように咬合誘導・咬合育成をすることがとても大切です。それでは実際の治療をご覧下さい。
<参考>
咬合性外傷とは、強い咬合力により歯周組織、とくに歯根膜や歯槽骨が破壊されることを言います。外傷性咬合は原因であり、咬合性外傷は症状(結果)である。
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反対咬合による下顎の前歯の歯肉退縮は放置すると進行して回復不可能となります。早めの被蓋改善が大切です。約半年の反対咬合の治療により反対の咬み合わせを改善しました。小児の場合、歯肉の回復力が高いので下顎の歯肉の退縮に回復の兆しが認められます。
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反対咬合による下顎の前歯の歯肉退縮は放置すると進行して回復不可能となります。早めの被蓋改善が大切です。約半年の反対咬合の治療により反対の咬み合わせを改善しました。小児の場合、歯肉の回復力が高いので下顎の歯肉の退縮に回復の兆しが認められます。
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反対咬合による下顎の前歯の歯肉退縮は放置すると進行して回復不可能となります。早めの被蓋改善が大切です。約半年の反対咬合の治療により反対の咬み合わせを改善しました。小児の場合、歯肉の回復力が高いので下顎の歯肉の退縮に回復の兆しが認められます。
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半年間の治療前後の上下顎の状態をご覧下さい。右上の第2小臼歯が頬側に萌出しています。このままだと下顎前歯同様に咬合性外傷が起こり歯肉が退縮して致命的になります。歯根が3分の2以上完成したら部分的なワイヤー矯正で改善を試みる予定です。