部分矯正で顎偏位を改善 album 252

今回は、反対の咬み合わせを気にして来院した5歳の小児の症例です。
矯正学的な問題点は、
①反対咬合
②顎偏位(下顎の正中が左側に3㎜ずれている)
③叢生(顎の大きさが小さいため全ての永久歯が並ぶスペースが足りない)
④臼歯部の交叉咬合(左側の奥歯のかみ合わせが反対)
当院の治療法は
①歯槽骨形態修正を行い顎の大きさを拡大する
②咬合高径(奥歯の高さ)と咬合平面(奥歯のかみ合わせ)を適正化して反対咬合を改善する
③部分矯正で顎偏位を改善
顎偏位を放置するとやがては顎変形症に移行する場合があります。重度の顎変形症になると外科矯正(顎切り)の適応となります。出来るだけ早期に適切な咬合誘導・咬合育成をスタートして顎偏位を改善し顎関節と顎骨の正常な発育を促す事が大切です。
それでは実際の治療経過をご覧下さい。

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上下顎の顎の大きさのバランスが崩れています。先ず取り外しの拡大床で顎の大きさを拡大しました。その後反対の咬み合わせと顎偏位を改善する為に部分矯正で1期治療を行いました。

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歯槽骨の形態修正の後、咬合平面・咬合高径を適正化して部分矯正で下顎を後方に適応させました。

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歯槽骨の形態修正の後、咬合平面・咬合高径を適正化して部分矯正で下顎を後方に適応させました。

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小児の反対咬合では、下顎の成長をコントロールする事も大切ですが、上顎を大きく発育させ舌が口蓋に収まるスペースを確保し低位舌を改善する口腔筋機能療法(MFT)による筋トレが大切です。この事により口呼吸を改善できる場合があります。口呼吸は「百害あって一利無し」、矯正治療後の安定した咬み合わせを維持するためだけでなく、健康の維持増進のためにも改善するようにしましょう。

photo 1426

下顎の前歯を後方に移動させるために部分矯正で奥歯を後方移動しています。

 

<参考>

「矯正症例集閲覧に当たって」(クリックHere)

過去の症例はこちら

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