取り外しの床矯正装置で改善できる反対咬合 album 253

今回は受け口を気にして来院した小学校3年生の小児の症例です。
ワイヤー矯正を望んでいませんでしたので、簡単な2種類の取り外しが出来る床矯正装置を用いて治療することにしました。歯の大きさに対して上顎の大きさが足りません。そこで初めに拡大床によって上顎を拡大しました。取り外しが出来る床矯正装置は、1日最低14時間の装着で顎の大きさを広げたり歯を移動する事が出来ます。したがって、寝ている時間を9時間と仮定するとその他に5時間装着する事によって矯正治療が可能です。学校に行く時は外して家に居るときに使用するだけでも大丈夫ですので、矯正治療をしている事が恥ずかしいと思って躊躇っている小児にはとても喜ばれる装置です。また、食事や歯ブラシの時にワイヤー矯正と違って取り外しが出来ますのでとても快適に食事が出来、歯ブラシもしやすくむし歯や歯肉炎のリスクを回避できます。しかし、取り外しが出来る事がデメリットになる事もあります。それは、取り外してばかりで装着しないお子様は矯正治療が上手くいかないという事です。また、奥歯の高さ(咬合高径)や奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を変えて下顎の位置を変えるような複雑な治療は不可能です。それでは床矯正装置を使用して咬合誘導・咬合育成を行い、反対咬合を改善した実際の治療をご覧下さい。

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先ず上顎を拡大して永久歯と舌が収まるスペースを確保しました。その際、当院では口腔筋機能療法(MFT)を併用して行っています。反対咬合の安定には口腔周囲筋のバランスと低位舌の改善はとても大切です。その後前歯4本を前方に移動して反対の咬み合わせを改善しました。

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上顎を大きく拡大していますので一時的にすきっ歯になっています。その後上の前歯4本を前方に移動しました。2日に1回ねじを巻いて0.2㎜
ずつ徐々に前方に押し出していきます。押し出す速度は床矯正装置の装着時間によっても変化します。

photo 1429

小さな上顎が拡大床により大きく広がり、その後4前歯を前方に押し出すことにより反対咬合を改善する事が出来ます。この装置は顎の大きさそのものを拡大するのではなく歯を支える歯槽骨の形態を修正する事より咬み合わせと歯並びを改善することが出来ます。

<参考>

「矯正症例集閲覧に当たって」(クリックHere)

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