八重歯を咬合誘導・咬合育成で改善 album 259

今回は、出っ歯と前歯の歯並びを気にして来院した小児の症例です。
矯正学的な問題点は、
①上顎の顎の幅が狭いため、前歯が並ぶスペースが足りない(叢生)
②前歯が出ている(上顎前突)
③咬み合わせが深すぎる(過蓋咬合)
口呼吸(口腔周囲筋のバランスを崩すため不正咬合の原因となる)
以上の4点です。
この問題を改善する為実際に行った治療法は
①前歯の並ぶスペースを確保する為に拡大床で上顎の大きさを広げる。(またこの事は口呼吸を改善する助けとなります。舌を上顎の口蓋の正しい位置に収め舌根の沈下を改善する事により喉の奥の気道が広がり息苦しさが解消し鼻呼吸を促す事が出来ます。)
②過蓋咬合と上顎前突を改善する為、咬合平面と咬合高径を適正化
③口腔周囲筋のバランスを整え安定した咬み合わせを確保する為に、筋機能矯正装置(トレーナーシステム)を使用
④八重歯を回避する為に乳歯を削合して犬歯のスペースを確保する咬合誘導・咬合育成を行う
それでは実際の治療をご覧下さい。

photo 1458

前歯の重なりを改善する為に取り外しの拡大床で顎の大きさを広げました。その後、咬合高径と咬合平面を適正化して上顎前突と過蓋咬合を改善しました。小学校5年生になり犬歯が八重歯気味に萌出してきましたので犬歯が入るためのスペースを確保し、筋機能矯正装置で八重歯を整えて行きました。

photo 1459

八重歯は適切な時期に咬合誘導・咬合育成を行う事により、ワイヤー矯正を行わなくても改善出来る場合があります。永久歯の犬歯が萌出する時期を考慮し小学校3年生ぐらいから5年生にかけて適切な咬合誘導。咬合育成を行う事が八重歯を回避する為にはとても良い時期であると思われます。

<参考>

「矯正症例集閲覧に当たって」(クリックHere)

過去の症例はこちら

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