出っ歯(上顎前突)と上顎の咬合平面関係について album 258

今回は出っ歯を気にして来院した小学校3年生の小児の症例です。レントゲン検査(セファロ分析)では、上顎骨の過成長は見られず、下顎の後退が原因の出っ歯(上顎前突)であることが分かりました。下顎の動きを分析すると顆路(顎関節の運動路)に対して上顎の咬合平面の関係が不適切であり、奥歯の咬合干渉により下顎が後方に後退して顎関節を圧迫している事が分かりました。このままの状態では、下顎と顎関節の成長発育が抑制され骨格的な重度の不正咬合に発展する可能性があります。また、将来顎関節症を発症する恐れもあることが分かりました。下顎の後退の原因は上顎の咬合平面と下顎の運動路(顆路角)の関係が不適切であることから、上顎をワイヤー矯正で奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を顆路角に対して適正化し改善する事に致しました。上顎の咬合平面を適正化する事により出っ歯’(上顎前突)を非抜歯で改善する事が出来ます。それでは実際の治療法をご覧下さい。

<参考>

咬合平面と咬合高径と顆路の関係

(追伸)
咬合平面と咬合高径と顆路の適正化と非抜歯矯正治療について

上記の記事も参考にして下さい。

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上顎の奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を下顎の運動路を分析して適正化し、更に奥歯の高さ(咬合高径)を挙げる治療により上顎前突と過蓋咬合を改善しました。

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上顎の奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を下顎の動きを分析して適正化する事により上顎前突と過蓋咬合を改善しました。

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上顎の咬合平面を適正化し下顎の前方成長を促す治療を行っています。この事により顎乾舌に加わる負担が減少し将来顎関節症を発症するリスクを軽減することが出来ます。

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下顎が左に1ミリずれています。奥歯の咬合平面と咬合高径を適正化する事により顎偏位を改善する事が出来ました。

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上顎のアーチホーム(歯列の形)が不適切です。歯槽骨形態修正を行い上顎を拡大して舌が口蓋に収まるスペースを確保しました。口腔筋機能療法(MFT)を行い口腔周囲筋のバランスを整え、舌の挙上トレーニングを行い鼻呼吸の確立を目指しました。ワイヤー矯正で奥歯を後方移動して八重歯を回避することが出来ました。

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下顎は顎の大きさが小さく全ての永久歯が並ぶ事が出来ません(叢生)。取り外しの装置で顎の拡大して歯を再配列しました。八重歯になる事が予想されましたが、歯槽骨改訂修正のみで回避することが出来ました。

<参考>

「矯正症例集閲覧に当たって」(クリックHere)

過去の症例はこちら

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