舌の正しい位置について album 275

今回は歯並びを気にして来院した小学校5年生の小児が中学校1年生までの3年の間の治療経過をみながら、小児矯正における筋機能矯正装置(トレーナーシステム)の治療効果について考えてみたいと思います。当院では、顎の大きさがかなり小さい患者さんの場合は、初めに取り外しの拡大床で歯槽骨形態修正を行い先ず舌が上顎の口蓋の正しい位置に収まる事が出来るようにしてから舌の挙上トレーニング等の口腔筋機能療法(MFT)を行い口腔周囲筋のアンバランスを解消しながらマウスピース型の筋機能矯正装置を使用して行くようにしています。舌の筋肉の力はかなり強いのでそのコントロールは極めて重要です。

舌先は上の写真に記入してある前歯の後ろの切歯乳頭という小さな膨らみの直ぐ後ろのスポットに添うように収まることが大切です。この事により上顎の歯並びが安定し喉の奥の気道が広がり鼻呼吸が楽に出来るようになります。
それでは、約3年間の治療経過をご覧下さい。

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舌が収まることが出来そうもない上顎の大きさを十分に広げ、口蓋の正しい位置に納まることが出来るようになりました。この事により舌骨の沈下が解消され喉の奥の軌道がかなり広がります。その事により睡眠の質が向上します。口呼吸はいびきの原因となるばかりか睡眠時無呼吸症候群を引き起こし健康に悪い影響を与えることがあります。正しい舌のポジションをキープする事は、矯正した歯列の安定のためだけではなく健康の維持向上を図ることに繋がります。

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全ての永久歯を非抜歯で機能的な位置に配列する事が出来ました。

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筋機能矯正装置により咬合誘導・咬合育成され徐々に筋肉のバランスがとれた位置に歯が移動していきます。

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筋機能矯正装置により咬合誘導・咬合育成され徐々に筋肉のバランスがとれた位置に歯が移動していきます。

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筋機能矯正装置により咬合誘導・咬合育成され徐々に筋肉のバランスがとれた位置に歯が移動していきます。

<結論>
成長発育期の小児矯正に於いて、異常嚥下癖や口腔周囲の筋肉のバランスを整える筋機能矯正装置は、正しい使い方の指導を受けながら適切な咬合誘導・咬合育成を行っていけば極めて有意義な装置である。但し、全ての不正咬合がこの装置だけで改善する事はありません。

 

<参考>

「矯正症例集閲覧に当たって」(クリックHere)

過去の症例はこちら

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