安定した咬合を求めて小児の1期治療で何をすべきか album 276

今回は、下の前歯の歯並びと出っ歯を気にして来院した小学校3年生の小児の症例です。当院では、口腔周囲筋と歯列のバランスを重視しています。歯は数グラムほどの力を継続して与えると動きます。従って、ワイヤー矯正でキレイに歯を並べたとしても舌と口輪筋や頬筋などの筋肉のバランスがとれた位置になければ、リテーナーを外してしまうと歯は移動を開始して後戻り(リラプス)を起こしていまいます。因みに舌の筋肉の力は500グラム以上と言われています。上顎の口蓋の大きさが小さく舌が正しい位置(スポット)に収まらないと歯列は頬筋や口輪筋に潰され狭くなります。その結果前歯は前方に押し出され出っ歯(上顎前突)になる恐れがあります。それでは実際の治療経過をご覧下さい。

<参考>

舌の正しい位置について album 275

筋機能矯正装置(トレーナーシステム)を用いた咬合誘導・咬合育成について

咬合平面・咬合高径の適正化とは?

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成長発育期にある小児の上顎骨は、10歳前後まで成長発育すると言われています。従って、骨そのものの成長発育を考慮するとできるだけ早い時期から舌の挙上トレーニングを開催することはとても意味があると思われます。当院では、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に矯正治療を開始する小児の場合、狭められた上顎の歯槽骨の形態修正を行い舌をスポットに添える訓練を行っています。

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一番気にしている下の前歯の歯並びをワイヤー矯正で改善した後に、筋機能矯正装置(トレーナーシステム)を用いて近位区のバランスを整えながら咬合誘導・咬合育成を行っています。

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1期治療で奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化した後、筋機能矯正装置を用いて筋肉のバランスがとれた位置に再配列されるように咬合誘導・咬合育成を行っています。深すぎる咬み合わせ(過蓋咬合)が改善され顎関節の成長発育を促す事が出来ました。

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1期治療で奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化する事により、下顎と顎関節の成長を促す事が出来ました。

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1期治療で奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化する事により、下顎と顎関節の成長を促す事が出来ました。

 

<参考>

「矯正症例集閲覧に当たって」(クリックHere)

過去の症例はこちら

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