今回は、前歯で噛めないとの主訴で来院した小学校2年生の小児の症例です。
開咬の原因としては、慢性鼻炎により鼻が詰まり口呼吸をするようになり唇や口腔内の筋肉のバランスが崩れ歯列が狭くなり舌が正しい位置に納まらなくなり、異常な嚥下癖が起こっている事が考えられました。そこで耳鼻咽喉科で慢性鼻炎の治療を継続しながら、狭くなった上顎の歯列を取り外しの拡大床で広げ(歯槽骨形態修正)、口腔筋機能療法(MFT)を行い舌の正しい位置を学習して異常嚥下癖を改善するようにしてみました。また、噛む力も弱かったのでガムトレーニング・チューブトレーニング等を行いながら食事の時になるべく噛む回数を増やすように(一口30回を目標)指導しました。また、軟らかい食べ物ばかり食べないで出来るだけ噛む回数が多くなる食事のメニューを工夫して貰いました。その結果、開咬は徐々に改善していきましたが、噛み合わせが安定しませんでした。そこで奥歯のかみ合わせの高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化するために部分的なワイヤー矯正を行いました。
それでは治療経過をご覧下さい。
開咬の原因には、遺伝的なものもございます。この様な骨格的な開咬は、口腔周囲筋のバランスを整える治療だけでは改善しない場合があります。
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舌を正しい位置に導く為に、上顎の狭いアーチを拡大し口腔筋機能療法(MFT)を行いました。2年ほどで何とか前歯が閉じていきました。しかし、下顎が左側に2㎜ほど顎偏位を起こしており、上顎の咬み合わせも中々改善しませんでした。そこでワイヤー矯正により咬合高径並びに咬合平面を適正化する治療を行いました。
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口腔筋機能療法(MFT)と咬合平面並びに咬合高径の適正化により徐々に咬み合わせが安定し、前歯が閉じていく様子をご覧下さい。
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口腔筋機能療法(MFT)と咬合平面並びに咬合高径の適正化により徐々に咬み合わせが安定し、前歯が閉じていく様子をご覧下さい。
<参考>
「矯正症例集閲覧に当たって」(クリックHere)