矯正治療には多くのメリットがあります。
例えば
➀歯並びを改善すると歯を見せて笑うことが多くなり、コンプレックスの解消につながります。
②対人関係に自信が持てるようになる
③良く噛めるようになる。その為、胃腸の負担が軽減されしっかり楽しく食事をする事が出来る。また、よく噛むことにより唾液腺が刺激され唾液量が増加し、口の中が綺麗になり歯周病やむし歯の予防、口臭の軽減等が期待されます。
④発音が明瞭になる
⑤歯ブラシがしやすくなり、むし歯や歯周病のリスクが軽減する
⑥顎関節の負担軽減並びに顎の変形を予防出来る可能性があります。
しかし、同時に矯正治療のリスクも存在することは否めません。誰も出来るだけリスクを少なくして安全な治療を望んでいます。そこで出来るだけ早期に治療を行う事により様々なリスクを回避できることを症例を通して見ていきたいと思います。
今回は、下の前歯の歯並びと上の前歯のすきっ歯を気にして来院したした小学校一年生の小児の症例です。
萌出してきた永久歯の大きさに対して顎の大きさがかなり小さい為に全ての永久歯が並びそうにありません。このままでは大切な永久歯を抜歯して歯を並べる抜歯矯正治療を選択せざる得ない恐れがあります。しかし、顎の成長発育が盛んな小児においては、顎の大きさを拡大して非抜歯で歯並びを改善する事が出来る可能性があります。顎の大きさを広げる治療は、歯肉退縮や歯根吸収のリスクを伴いますが、年齢が上がるにつれて高まります。従って、出来るだけ早期に小児矯正治療を始め適切な咬合誘導・咬合育成を行う事が大切と考えています。それでは、実際の治療経過をご覧下さい。
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萌出した永久歯の大きさに対して顎の大きさかなり小さい為、初めに取り外しの拡大床で歯槽骨形態修正を行い顎の大きさを拡大しました。ワイヤー矯正で前歯の歯並びを整えながら奥歯を後方に移動して永久歯の犬歯の萌出スペースを創りました。その後全ての永久歯が萌出するまで、咬合誘導と咬合育成を行っています。この治療により、非抜歯で全ての永久歯を機能的に配列することが出来ました。
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下顎もかなり小さいので右下の犬歯の萌出スペースが全くありません。このままでは八重歯になってしまいます。初めに上顎同様に取り外しの拡大床で大胆な歯槽骨形態修正を行い顎を拡大しました。その後ワイヤー矯正で奥歯を後方移動して永久歯の犬歯の萌出数ペースを確保し、全ての永久歯が萌出するまで咬合育成・咬合誘導を行いました。全ての永久歯を非抜歯で機能的に配列することが出来ました。
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治療前後の顎の大きさをご覧下さい。全ての永久歯を非抜歯で機能的に配列することが出来ました。
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咬合平面と咬合高径を適正化し、下顎の位置を適正な位置に誘導しています。
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奥歯のかみ合わせ(咬合平面)奥歯の高さ(咬合高径)を適正化する事により、機能的で安定した咬合を作ることが出来ました。
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咬合平面と咬合高径を適正化し、下顎の位置を適正な位置に誘導しています。
<参考>
「矯正症例集閲覧に当たって」(クリックHere)