八重歯を回避して理想的な咬み合わせを誘導するために【album 287】
下の前歯の歯並びを気にして来院した小学校2年生の小児です。
矯正学的な主な問題点は
①下顎前歯部の歯並び(叢生)
②下顎の後退を伴う上顎前突
③舌が収まりきらない上顎の狭い歯並び(習慣性口呼吸の原因にもなります)
④上顎永久歯の犬歯が収まる為のスペースが不足(八重歯の可能性)
等です。
それでは実際の治療をご覧下さい。
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主訴である下の前歯の凸凹な歯並びは、とりはずし式の拡大床で顎の大きさを広げ配列していきました。その後、上下顎の咬み合わせと下顎の位置を修正するためにマウスピース型の筋機能矯正装置(トレーナーシステム)を用いて咬合誘導並びに咬合育成を行っています。
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下顎同様に上顎の大きさも小さく全ての永久歯が並ぶスペースが足りません。1期治療として拡大床で歯槽骨形態修正を施し、その後深すぎる咬み合わせ(過蓋咬合)と下顎の後退を伴う上顎前突を改善する為に部分的なワイヤー矯正で奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化して下顎を前方に適応させる治療を行っています。引き続き全ての永久歯が萌出するまでの間、口腔周囲筋と歯並びのバランスがとれた位置へ咬み合わせを誘導し、咬合の更なる安定を求めてマウスピース型の筋機能矯正装置を用いています。一時的には八重歯になりそうでしたが、徐々に永久歯の犬歯が歯列内に収まって理想的な咬み合わせ(犬歯誘導・1級関係)を構築することが出来ました。
補足
矯正治療において1級関係を構築し犬歯誘導を確保することは、奥歯を保護し顎関節の正常な発育を促し顎関節症を発症するリスクを軽減することが出来ます。また、犬歯誘導は、歯ぎしりした時などに奥歯に過剰な負担が加わらないようにするためにはとても大切な咬み合わせです。
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深すぎる咬み合わせ(過蓋咬合)が改善し、永久歯の犬歯が徐々に歯列内に収まっていく様子をご覧下さい。ワイヤー矯正で強制的に配列したよりもより自然なバランスの良い歯並びに変化していきます。この様な咬合育成・咬合誘導は、顎の骨の成長発育が見込まれる小児における不正咬合の根本原因を改善する方法として、とても意味のある治療と考えています。
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深すぎる咬み合わせにより後方に押し込まれた下顎が、前方に適応し発育していく様子をご覧下さい。この様に顎の骨の成長発育を誘導していく治療法は、小児矯正でしか出来ない治療法です。不正咬合に気が付いたらできるだけ早めに矯正医にご相談下さい。
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深すぎる咬み合わせにより後方に押し込まれた下顎が、前方に適応し発育していく様子をご覧下さい。この様に顎の骨の成長発育を誘導していく治療法は、小児矯正でしか出来ない治療法です。不正咬合に気が付いたらできるだけ早めに矯正医にご相談下さい。
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深すぎる咬み合わせにより後方に押し込まれた下顎が、前方に適応し発育していく様子をご覧下さい。この様に顎の骨の成長発育を誘導していく治療法は、小児矯正でしか出来ない治療法です。不正咬合に気が付いたらできるだけ早めに矯正医にご相談下さい。
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