美しい口元を求めた矯正治療と審美歯科治療の違い【album 297】

今回は前歯の歯並びを気にして来院した成人女性の症例を通して歯を削ってセラミックで補綴する審美歯科的治療と矯正治療による歯並びの改善について考えたいと思います。
左上側切歯の咬み合わせが反対で歯が凹んで笑ったときに歯が綺麗に見えないとの主訴ですが、短期間で改善したいのであれば健康な歯を削ってセラミックまたはジルコニアで補綴する方法がBestかも知れません。しかし、最大の欠点は健全歯を削って治療することです。一度削った歯は元に戻すことは出来ません。また、その歯が将来虫歯になるリスクも上がります。そこで何度かカウンセリングした結果、半年ぐらいで改善するのであれば矯正治療で歯並びを改善する事となりました。
此処で左上の側切歯が並ばなかった原因について考えてみたいと思います。
たまたま左上の側切歯が舌側から萌出したためでしょうか?その可能性もなくはありませんが、乳歯の側切歯の早期抜歯によるスペース不足が原因かも知れません。または、舌の位置が不正で口呼吸があり口腔周囲筋と歯並びのバランスがとれていなかったのかも知れません。その事により歯並びのアーチが狭くなり並ぶスペースがなくなったのかも知れません。その他色々な原因が考えられますが、その原因を改善しないで審美的な目的だけで治療を行う事は余り望ましいとは考えていません。出来れば口腔周囲筋とのバランスを改善し安定して機能的な良く噛める歯並びにすることが事を目指した矯正治療をする事が理想と考えます。今回の治療は半年間という限定的なものでありますので、その間に口腔周囲筋とのバランスを完全に整えるのは不可能ですので、矯正治療後も暫くリテーナーを使用して舌の位置を習得するトレーニングと口唇閉鎖を意識した生活をして貰うように致しました。それでは実際の治療をご覧下さい。

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ワイヤ矯正と同時に舌側から取り外しの拡大床を併用し、上顎の歯槽骨形態修正を行いながら短期間で反対の咬み合わせの側切歯の咬み合わせを改善しています。

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ワイヤ矯正と同時に舌側から取り外しの拡大床を併用し、上顎の歯槽骨形態修正を行いながら短期間で反対の咬み合わせの側切歯の咬み合わせを改善しています。

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矯正治療後、希望により全ての歯を白くするためにセラミックで補綴を行い、その後ホワイトニングをしています。

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矯正治療後、希望により全ての歯を白くするためにセラミックで補綴を行い、その後ホワイトニングをしています。

<参考>

「矯正症例集閲覧に当たって」(クリックHere)

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