奥歯の咬合平面と下顎の位置の関係について【album 303】

下顎が後退している相対的な出っ歯(上顎前突)の治療で必要なことは、不正な下顎の位置を前方に誘導することである。その為には、奥歯のかみ合わせ(咬合平面)の顎関節の運動路(顆路)に対する角度を適正化する事が必須となる。出っ歯の治療で過成長していない上顎の小臼歯を2本抜歯して治療する抜歯矯正は対処療法的であり不正咬合の根本的な改善をしたことにはならない。当院では、上顎前突の治療は主に非抜歯で奥歯の急峻過ぎる咬合平面をフラット化する事により下顎を適正な位置に前方誘導する治療法を行っています。この事により下顎の前方成長も促すことが出来ます。急傾斜の咬合平面は奥歯の咬合干渉を起こし下顎の後退を引き起こします。すなわち日本人の出っ歯の多くは顎なし顔貌で下顎が後退する事により生じていると考えています。それでは出っ歯と前歯の歯並びを気にして来院した小学校2年生の小児の治療を通して、実際の咬合平面の適正化による下顎前方誘導の治療をご覧下さい。

ポイント
出っ歯(上顎前突)の治療の非抜歯矯正治療では、奥歯のかみ合わせ(咬合平面)の適正化による下顎の前方誘導が必須である。小児矯正において咬合高径・咬合平面の適正化によって咬合誘導・咬合育成する方法はとても効果的である。

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咬合平面が不適であるために下顎が後退して相対的な出っ歯(上顎前突)となっています。咬合平面を適正化して下顎を前方誘導して更に下顎の前方成長を促す事が出来ました。

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咬合平面が不適であるために下顎が後退して相対的な出っ歯(上顎前突)となっています。咬合平面を適正化して下顎を前方誘導して更に下顎の前方成長を促す事が出来ました。

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奥歯の急傾斜過ぎる咬合平面をフラット化する事により下顎を前方に誘導することが出来ます。治療前後の奥歯の咬合平面をご覧下さい。黄色の矢印で奥歯の咬合平面を分かりやすく表示しました。

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奥歯の急傾斜過ぎる咬合平面をフラット化する事により下顎を前方に誘導することが出来ます。治療前後の奥歯の咬合平面をご覧下さい。黄色の矢印で奥歯の咬合平面を分かりやすく表示しました。

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低すぎる奥歯の咬み合わせの高さ(咬合高径)を適正化して、前歯の深すぎる咬み合わせ(過蓋咬合)を改善しました。咬合高径を黄色の矢印で記載しました。

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歯の大きさに対して顎の大きさが小さすぎます。また、永久歯の犬歯の萌出スペースも足りません。歯槽骨形態修正を施し大きく顎の拡大して、ワイヤー矯正で配列しました。

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歯の大きさに対して顎の大きさが小さすぎます。また、永久歯の犬歯の萌出スペースも足りません。歯槽骨形態修正を施し大きく顎の拡大して、ワイヤー矯正で配列しました。

<参考>

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