八重歯にならないために何が必要か【album 304】

小児矯正治療で乳歯と永久歯が混在する時期の最後に萌出するのが上顎の犬歯である。それは、小学校5年生か6年生の頃です。従って、小学校4年ぐらいまでにしっかり上顎の永久歯犬歯の萌出スペースを確保することが必要となります。小児矯正の1期治療において前歯4本と奥歯のかみ合わせを整えるだけでは八重歯は回避できません。その時期に十分な上顎犬歯の萌出スペースを獲得できない場合、犬歯の後ろの左右の第一小臼歯を抜歯して並べる必要が出て来る恐れがあります。当院では、出来るだけ非抜歯で全ての永久歯(親知らずを除く)を機能的審美的に配列する為に、出来るだけ早期に矯正治療をスタートして上下顎の適正な成長発育を促すように奥歯のかみ合わせ(咬合平面)と奥歯の高さ(咬合高径)を適正化して咬合育成・咬合誘導を行っています。それでは、前歯の歯並びを気にして来院した小学校2年生の児童の症例を通してどのように八重歯を回避しているかご覧下さい。

<参考>

筋機能矯正装置(トレーナーシステム)を用いた咬合誘導・咬合育成について album 192


咬合平面・咬合高径の適正化とは?

 

photo 1705

顎の大きさが小さいために全ての永久歯の前歯が並びそうにありません。初めにとりはずし式の側方拡大装置で顎の大きさを拡大し、その後十分な犬歯のスペースを確保する為に部分的なワイヤー矯正を行い咬合平面・咬合高径を適正化して顎の成長発育をコントロールしながら犬歯の萌出スペースを確保しました。全ての永久歯を機能的で安定した位置に配列する為に筋機能矯正装置を用いて仕上げの治療を行っています。親知らずを除く全ての永久歯を非抜歯で矯正治療を完結することが出来ました。

photo 1706

初めに歯槽骨形態修正を行い顎の大きさを広げました。その後、特殊なリテーナーを使用して前歯の配列を誘導して行きました。更に、上顎同様に機能的で安定した歯並びを得るために筋機能矯正装置(トレーナーシステム)で咬合育成・咬合誘導を行っています。親知らずを除く全ての永久歯を非抜歯で矯正治療を完結することが出来ました。

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上顎犬歯の萌出スペースを確保していますので、唇側に萌出した犬歯は自然に筋肉のバランスがとれた位置に配列されていきます。咬合平面と咬合高径の適正化によって深すぎる咬み合わせ(過蓋咬合)も改善する事が出来ました。

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咬合平面・咬合高径の適正化によって下顎の前方に成長発育することが出来ました。また、八重歯を回避して深すぎる咬み合わせ(過蓋咬合)も改善出来ました。

photo 1709

咬合平面・咬合高径の適正化によって下顎の前方に成長発育することが出来ました。また、八重歯を回避して深すぎる咬み合わせ(過蓋咬合)も改善出来ました。

photo 1710

後方に押し込められた下顎を前方に誘導するため咬合平面・咬合高径を適正化しています。この事により上顎前突と過蓋咬合を改善しています。

photo 1711

後方に押し込められた下顎を前方に誘導するため咬合平面・咬合高径を適正化しています。この事により上顎前突と過蓋咬合を改善しています。

<参考>

 

過去の症例はこちら

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