非抜歯矯正のための咬合誘導・咬合育成について【album 311】

非抜歯矯正を行うにあたり上下顎の正常な骨の発育を阻害する要因を排除して適切に咬合誘導・咬合育成を行って行く事はとても大切です。また逆に顎の正常な発育を促す事が出来なければ健全な小臼歯を抜歯する矯正法を選択するようになります。当院では、最小限の介入で最大限の効果をもたらす為に出来るだけ早期に矯正治療を開始することを勧めています。それは成長発育途上にある小児期に適切な咬合誘導並び咬合育成をすることによって非抜歯で長期的に安定した咬み合わせを構築することが出来るからです。
今回は、顎が小さく全ての永久歯が並びそうにないと心配して来院した小学校2年生の症例を通して当院で行っている乳歯と永久歯が混在する混合歯列期から永久歯列期完成までの長期に及ぶ咬合誘導並び咬合育成についてお話ししたいと思います。

<治療結果>

長期的な咬合誘導・咬合育成を行い上下顎の正常な発育を促す事で、抜歯矯正を回避することが出来ました。

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萌出してきた永久歯の大きさに対して顎の大きさがかなり小さいことが分かります。初めは筋機能矯正装置で口腔周囲筋のバランスを整える治療を開始行いました。これは既成のマウスピースを使用するので印象してお口の型を取る必要がありません。恐怖心の強い小児にはとても有効な方法と思われます。その後、大分診療にも慣れてきた頃に上下顎の印象を採得して取り外し式の拡大床で小さな顎を更に広げる治療を行いました。次に下顎の前方成長を促すために咬合平面を適正化するためにワイヤー矯正を行いました。これにより下顎が前方に誘導され顎の関節も正常に発育させる事が出来ました。

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下顎の前方成長を促すために筋機能矯正装置とワイヤー治療で咬合平面・咬合高径を最適化しています。

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下顎の前方成長を促すために筋機能矯正装置とワイヤー治療で咬合平面・咬合高径を最適化しています。

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永久歯が萌出して全ての永久歯が萌出完了するまでの期間適切な咬合誘導・咬合育成を行い最小限の介入で自然で安定した歯並びを構築することが出きました。歯並びの安定に口腔周囲筋とのバランスはとても大切です。当院ではリテーナーとして筋機能矯正装置を長期間使用することがあります。

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下顎はワイヤー矯正の介入をする事なく正常な発育を促す事が出来ました。

<参考>

過去の症例はこちら

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