1期治療(小児矯正)後の2期治療(成人矯正)について 【album 315】

今回は、1期治療終了後の咬合育成・咬合誘導について考えてみたいと思います。1期治療とは、永久歯が生えそろう前に成長発育期にある小児に行う矯正治療(小児矯正)のことを言います。それに対して、乳歯が全て抜け永久歯が生え揃ってから行う矯正治療(成人矯正)を2期治療と言います。1期治療では、成長発育期にある顎骨の正常な発育を促し、全ての永久歯が配列できるような十分な顎骨の大きさを作ることが大切です。この時期は適応能力が高いので、かなり大胆な上下顎のずれや小さすぎる顎の大きさを修正する治療を安全に行う事ができる可能性があります。また、矯正治療は必ずリスクを伴いますが、重度の不正咬合の場合は特に1期治療を行わないで放置するとそれだけ成人矯正のリスクが高まることになります。当院では1期治療後に治療を終了することなく継続してできる限りの咬合誘導・咬合育成を行っています。それでは治療前後の写真をご覧下さい。

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1期治療終了後に全ての永久歯が萌出するまでの期間に最小限の矯正的な介入で咬合誘導・咬合育成をする事により自然な歯並びを作ることが出来ました。

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1期治療終了後に全ての永久歯が萌出するまでの期間に最小限の矯正的な介入で咬合誘導・咬合育成をする事により、自然で機能的な歯並びを構築する事が出来ました。

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1期治療終了後に全ての永久歯が萌出するまでの期間に最小限の矯正的な介入で咬合誘導・咬合育成をする事により、自然で機能的な歯並びを構築する事が出来ました。

次に実際の矯正治療の経過をご覧下さい。

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1期治療で十分な顎の大きさを確保していますが、下顎の位置が後退して前歯の咬み合わせが深すぎます。そこで、奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を修正し下顎を前方に誘導して咬み合わせを再構築しています。

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1期治療で十分な顎の大きさを確保していますが、下顎の位置が後退して前歯の咬み合わせが深すぎます。そこで、奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を修正し下顎を前方に誘導して咬み合わせを再構築しています。

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1期治療で十分な顎の大きさを確保していますが、下顎の位置が後退して前歯の咬み合わせが深すぎます。そこで、奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を修正し下顎を前方に誘導して咬み合わせを再構築しています。

photo 1782

1期治療で十分な顎の大きさを確保していますが、下顎の位置が後退して前歯の咬み合わせが深すぎます。そこで、奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を修正し下顎を前方に誘導して咬み合わせを再構築しています。

<結論>

重度の不正咬合を治療する時は出来るだけ顎骨の成長発育期にある小児の時期から早期に矯正治療をスタートする事により、非抜歯でリスクの少ない矯正治療を行う事が出来る可能性が高まります。また、非抜歯矯正治療を成功させるためには、顎のずれや顎の大きさが小さい症例では1期治療を適切に行う事はとても大切です。

<参考>

過去の症例はこちら

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