小臼歯のシザーズバイト(鋏状咬合)の簡単な対処法【album 321】
シザースバイト(鋏(はさみ)状咬合)とは、上の歯が頬側(外側)に萌出しているため下の歯とすれ違ってしまっているかみ合わせです。萌出中に発見できれば簡単に改善が出来ますが、早めに対処しないで咬み合わせが深くなるとかなり治療が難しくなります。小児矯正では治療中に乳歯が抜けて下から後続永久歯が萌出してきます。その際、永久歯の萌出方向が悪いと咬み合わせがずれることがあります。そのような場合、レジンを歯の上に接着してすれ違いを改善するようにしています。
今回の症例では、上顎右側の第一小臼歯が正常な位置よりもかなり頬側から萌出してシザーズバイトとなってしまいました。そこで、その歯牙にレジンを盛り足して咬合誘導し咬合力を使って改善する事にしました。
小児矯正では、適切な時期に咬合誘導を行い正しい咬合を育成することはとても大切です。
不正な咬み合わせを放置すると下顎の位置がずれて(顎偏位)骨格的な不正咬合となり顔が歪む顎変形症に発展する場合があります。
下記にシザーズバイト改善の経過写真を掲載します。
photo 1815
レジンを貼って咬合力を使いシザーズバイト(すれ違い咬合)を改善しました。
この小児の主な不正咬合は
①上顎前突
②過蓋咬合
です。
実際の治療経過をご覧下さい。
photo 1816
前歯部を圧下して臼歯部を挺出させ、更に奥歯のかみ合わせの高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化する事により、後退した下顎を前方に誘導しました。また、上顎の奥歯を後方移動する事により上顎前歯を舌側に移動させ過蓋咬合と上顎前突を改善しました。
photo 1817
前歯部を圧下して臼歯部を挺出させ、更に奥歯のかみ合わせの高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化する事により、後退した下顎を前方に誘導しました。また、上顎の奥歯を後方移動する事により上顎前歯を舌側に移動させ過蓋咬合と上顎前突を改善しました。
photo 1818
前歯部を圧下して臼歯部を挺出させ、更に奥歯のかみ合わせの高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化する事により、後退した下顎を前方に誘導しました。また、上顎の奥歯を後方移動する事により上顎前歯を舌側に移動させ過蓋咬合と上顎前突を改善しました。
photo 1819
前歯部を圧下して臼歯部を挺出させ、更に奥歯のかみ合わせの高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化する事により、後退した下顎を前方に誘導しました。また、上顎の奥歯を後方移動する事により上顎前歯を舌側に移動させ過蓋咬合と上顎前突を改善しました。
photo 1820
咬合高径並び咬合平面を適正化して出っ歯(上顎前突)並びに深すぎる咬み合わせ(過蓋咬合)を改善しました。
photo 1821
歯槽骨の形態修正を行い顎を拡大して、アーチを整えています。
photo 1822
歯槽骨の形態修正を行い顎を拡大して、アーチを整えています。
<参考>