上下の顎が小さくて出っ歯(上顎前突) 小児矯正での対処法【album 322】

歯並びは悪い事が分かっていても通院している歯科医院で「様子を見ましょうと言われ、こんな状態になってしまいました」との相談を受けます。不正咬合は様子を見ていると改善する事は希でどんどん悪化していきます。結局心配になり当院を訪れた時にはかなり難易度の高い不正咬合になっている場合、その状態からでも矯正治療は可能ですが、矯正に伴うリスクが高くなります。矯正治療は歯を動かして治療を行いますが、必ずリスクがあることを踏まえた1期治療が必要です。不正咬合の程度が酷くならなければ、矯正治療によるリスクは軽減します。この事から当院では、不正咬合に気が付いたらなるべく早い時期に治療を始めることを勧めています。結果的に個性正常咬合を構築出来たとしても、わざわざリスクを高めた治療をすることはとても危険です。顎骨の成長発育期にある小児においては、顎骨の正常な発育を促し不正咬合の根本原因を改善出来る可能性があります。様子を見て結局抜歯矯正になるのはなんとも勿体ないと考えています。出来るだけ負担の少ない治療法を選択する事が出来るようにしましょう。
今回は、出っ歯と前歯の歯並びを気にして来院した小学校2年生の小児の症例を通して、小児の1期治療は何処まで必要か考えてみたいと思います。

photo 1823

上下顎共にかなり小さいので、このままでは前歯の歯並びは様子を見ていくとどんどん酷い状態となり、上顎は側切歯が萌出するスペースが足りませんので内側から萌出して反対の咬み合わせの交叉咬合となるでしょう。この様な咬み合わせは、放置すると食べ物をしっかり咀嚼出来ないため益々上下顎の成長発育が阻害され顎関節にも運動制限が加わり正常な発育が阻害されます。将来顎関節症を発症するリスクが高まります。とりはずし式の拡大床で上下顎を拡大し歯槽骨形態修正を行った後に、ワイヤー矯正を行い歯並びを修正しました。また、舌の挙上訓練を行い口呼吸を改善し鼻呼吸に変換することができました。それでは,実際の治療経過をご覧下さい。

photo 1824

上顎の大きさが足りない為に、舌が口蓋の正しい位置に納まりません。下の先端は中切歯の後ろのスポットに位置して口蓋に吸い付くように収まることが必要です。この事により喉の奥の気道が広がり口呼吸を改善して鼻呼吸を確立する事が出来ます。

photo 1825

下顎のかなり小さく側切歯のスペースが足りない為、ねじれ(捻転)ています。このままでは永久歯の犬歯が萌出すると更に前歯の凸凹は酷くなってしまいます。取り外しの拡大床で顎の大きさを広げワイヤー矯正で歯並びを整えました。

photo 1826

咬み合わせが深すぎ(過蓋咬合)ます。このままでは下顎の前方成長が阻害され顎関節の正常な発育も期待出来ません。そこで顎の大きさを広げワイヤー矯正で奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化して改善しました。

photo 1827

顎の大きさを広げワイヤー矯正で奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化して、下顎の成長を促し前方誘導しています。小児矯正において下顎と顎関節の正常な発育を誘導する事はとても大切です。

photo 1828

顎の大きさを広げワイヤー矯正で奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化して、下顎の成長を促し前方誘導しています。小児矯正において下顎と顎関節の正常な発育を誘導する事はとても大切です。

photo 1829

顎の大きさを広げワイヤー矯正で奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化して、下顎の成長を促し前方誘導しています。小児矯正において下顎と顎関節の正常な発育を誘導する事はとても大切です。

photo 1830

顎の大きさを広げワイヤー矯正で奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化して、下顎の成長を促し前方誘導しています。小児矯正において下顎と顎関節の正常な発育を誘導する事はとても大切です。

<参考>

過去の症例はこちら

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA