小児矯正で犬歯の萌出スペースを確保する為に必要なこと 【album 323】

小児矯正の1期治療で永久歯の犬歯が萌出するスペースを確保しないと八重歯になってしまします。その為、2期治療で八重歯を改善する為に抜歯矯正を選択しなければならない恐れがあります。当院では、非抜歯で出来るだけ対応出来るように1期治療でしっかり永久歯の犬歯の萌出スペースを確保するようにしています。出っ歯(上顎前突)にならないよう犬歯の萌出スペースを確保する為には、咬合平面の適正化が必須となります。小児矯正において、適切な咬合誘導・咬合育成はとても大切です。それでは実際の治療をご覧下さい。

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下顎の前歯の歯並びを気にして来院した小学校2年生の症例です。上下顎の顎の大きさが足りませんので、初めにとりはずし式の拡大床で顎を広げました。その後ワイヤー矯正で奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化して奥歯を後方移動する事により永久歯の犬歯の萌出スペースを確保しました。

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青い矢印で咬合平面の変化を記載しました。治療前は奥歯のかみ合わせ(咬合平面)が下顎の運動路(顆路)に対して急傾斜となっています。このまま永久歯の犬歯の萌出スペースを作ると出っ歯となってしまいます。そこで上顎の前歯を後退させながら下顎を前方に誘導するために咬合平面を適正化しました。最終的には咬合平面は後ろ下がりになるよう調整して下顎を前方に誘導しています。

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永久歯の萌出スペースを作るためにワイヤー矯正で奥歯を後方移動しました。一時的に出っ歯となりましたが、咬合平面を適正化する事により前歯を後退させ下顎を前方に誘導する事により改善しました。

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奥歯の咬合平面を適正化するステップで前歯に圧下する力が加わるため一時的に前歯部が開咬となります。しかし、その後に奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化する事により改善しました。

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下顎の前歯の歯並びを改善することが主訴でありますので、とりはずし式の拡大床で顎の大きさを広げ前歯の歯並びを改善しました。

<参考>

過去の症例はこちら

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