小児矯正における反対咬合治療の優先順位について 【album 334】
成長発育期にある小児の反対咬合の治療は、上下顎の成長発育のピークの違いを考慮に入れて行う事が必要となります。小児の反対咬合を改善するには、上顎の成長発育を促し下顎の成長発育をできるだけ抑える事が大切です。上顎骨の成長発育のピークは9歳頃となりますので、反対咬合の治療開始時期が9歳以下である場合は上顎骨の成長発育を促す治療が有効です。ところが、9歳以降で治療を開始する場合は、上顎の成長発育を期待することは難しくなります。それに対して下顎の成長発育には男女差があります。概ね女の子は14歳位頃まで・男の子は18歳位まで下顎の成長があります。従って、乳歯と永久歯が混在する時期に行う反対咬合の1期治療終了後、下顎の成長発育を見ながら仕上げの2期治療を行う時期を考慮する必要があります。そこで当院では、小児の反対咬合治療において優先順位を決めて最小限の介入による最大限の効果を期待出来るよう治療を行っています。今回は、受け口を気にして来院した小学校2年生の男子の実際の治療法をご覧下さい。
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小学校2年生は未だ上顎成長発育途上でありますので、できるだけ早く反対の咬み合わせを改善し上の前歯でしっかり食べ物を噛むことが出来るようにする事がとても大切です。また、上顎の成長発育を阻害する要因として上下の口腔周囲筋のバランスが崩れていることが考えられます。出来るだけ上顎の成長発育を阻害する上顎前歯部周囲の筋肉の緊張を緩和し、緩んだ下顎の前歯部周囲の筋肉の緊張を高める筋トレを行うようにしています。奥歯のかみ合わせの高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化して、上顎の成長発育を促し、下顎の成長発育をできるだけ抑える治療を優先して行いました。前歯の歯並びそのものは、希望があれば整える治療を行いますが、この時期は上下顎の成長発育を出来るだけコントロールする治療を優先するようにしています。この事により下顎の前方成長が終了する時期に始める2期治療を最小限のリスクで外科矯正等を行う事無く矯正治療が可能となります。
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反対の咬み合わせを早期に改善することにより、上顎の成長を促し下顎の成長発育を抑える事ができます。
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咬合高径・咬合平面を適正化して、上顎の成長を促し下顎の成長発育をできるだけ抑えるようにしています。上顎の成長発育をより促す為に低位舌を改善し舌を上顎の正しい位置(スポット)に誘導するように、舌の挙上トレーニングを行っています。
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咬合高径・咬合平面を適正化して、上顎の成長を促し下顎の成長発育をできるだけ抑えるようにしています。上顎の成長発育をより促す為に低位舌を改善し舌を上顎の正しい位置(スポット)に誘導するように、舌の挙上トレーニングを行っています。
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上顎の成長促し、下顎の全欧成長を出来るだけ抑えるようにしています。
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上顎の成長を促す事が出来ました。その結果、永久歯の犬歯の萌出スペースを確保することが出来ました。この事により八重歯を回避することが出来ます。小児矯正においては、この様な咬合誘導・咬合育成はとても大切です。
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下顎の成長を出来るだけ抑え込むようにしています。前歯の凸凹は、希望があればワイヤー矯正で治療することは可能です。
<参考>