咬み合わせが深すぎる(過蓋咬合)のリスクについて【album 335】

咬み合わせが深すぎる「過蓋咬合」は、顎の顎関節に過剰な負担をかける恐れがあります。治療しないで放置すると顎関節の正常な発育を阻害され顎関節症を発症する恐れがあります。また、下の前歯が上顎の舌側の歯肉にくい込んで食事の時に痛みが出てしっかり食事を咀嚼することが出来なくなることもあります。更に、上の前歯に過剰な負担をかけるため歯を支える歯槽骨を破壊し歯周病を発症する恐れもあります。従って、当院では顎関節と顎骨の成長発育期にある小児の時期に早期矯正治療を行うようにしています。この事により、正常な顎関節並びに顎骨の発育を促す事が出来ます。小児矯正において適切な咬合誘導・咬合育成はとても大切です。
それでは下の前歯が上の歯茎にあたり痛くて食べにくいと言う主訴で来院した小学校5年生の小児の過蓋咬合の治療をご覧下さい。

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左上第一小臼歯の咬み合わせが逆になって交叉咬合が見られます。その為下顎が右側に誘導され顎偏位を起こしています。奥歯のかみ合わせの高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化する事により、深すぎる咬み合わせ(過蓋咬合)を改善し正常な下顎の成長発育を促す事が出来ました。但し、右側側切歯が先欠・左側側切歯が矮小歯でありますので、上下顎の正中を完全に修正する事が出来ませんでした。

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初めに、顎の大きさが小さいので拡大床により顎を広げました。その後、ワイヤー矯正により咬合高径・咬合平面を適正化して過蓋咬合を改善しました。上顎右側側切歯が先天的欠損で上顎の歯の本数が下顎より1本少ないため、左右対称に理想的な咬合を回復することは出来ませんでした。

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初めに、顎の大きさが小さいので拡大床により顎を広げました。その後、ワイヤー矯正により咬合高径・咬合平面を適正化して過蓋咬合を改善しました。

photo 1934

初めに、顎の大きさが小さいので拡大床により顎を広げました。その後、ワイヤー矯正により咬合高径・咬合平面を適正化して過蓋咬合を改善しました。

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咬合高径・咬合平面の適正化により、後方に追い込められた下顎を前方に成長発育させることが出来ました。また、過剰な顎関節の負担を軽減し、顎関節を保護することが出来ました。

photo 1936

咬合高径・咬合平面の適正化により、後方に追い込められた下顎を前方に成長発育させることが出来ました。また、過剰な顎関節の負担を軽減し、顎関節を保護することが出来ました。

photo 1937

上顎右側側切歯が先欠で左側側切歯は矮小歯です。

photo 1938

狭い下顎を拡大床で広げワイヤー矯正で歯並びを整えました。

 

<参考>

過去の症例はこちら

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