成長発育期にある小児の1期治療後のリテーナーについて【album 340】

今回は、成長発育期にある小児の1期治療後のリテーナーについて考えてみたいと思います。乳歯と永久歯が混在する時期に矯正治療を開始して1期治療を終えた時は、上下顎の骨や顎関節の成長発育によって徐々に咬み合わせが変化していきます。従って、矯正治療後の歯並びを維持するためのリテーナーは、成人矯正の場合と異なり難しいと思われます。当院では、1期治療後のリテーナーとして筋機能矯正装置を使うことが多くあります。その理由は、就寝時に使用するだけで効果があり成長発育による咬合の変化に対しても対応出来るためです。また、筋機能矯正装置は口腔周囲筋のバランスを整える効果も期待出来ます。小児矯正治療において、適切な咬合誘導・咬合育成はとても大切です。それでは、前歯の歯並びを気にして来院した小学校2年生の症例をご覧下さい。

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歯の大きさに対して顎の大きさが小さい為、全ての永久歯が自然に並ぶことは出来ません。歯槽骨形態修正をして顎を広げた後、ワイヤー矯正で咬合高径・咬合平面を適正化しながら歯を配列しました。その後、リテーナーとして筋機能矯正装置を使用して口腔周囲筋とのバランスがとれた位置に再配列しました。

photo 1971

歯の大きさに対して顎の大きさが足りません。歯槽骨形態修正をして顎を広げた後、ワイヤー矯正で咬合高径・咬合平面を適正化しながら歯を配列しました。その後、リテーナーとして筋機能矯正装置を使用して口腔周囲筋とのバランスがとれた位置に再配列しました。

実際の治療経過をご覧下さい。

photo 1972

始めにとりはずし式の拡大床で顎の大きさを広げ、その後ワイヤー矯正で咬合高径・咬合平面を適正化しました。1期治療終了後、リテーナーとして就寝時に筋機能矯正装置を使用する事により顎並び顎関節の正常な発育を誘導し口腔周囲筋と舌の筋肉のバランスが良い位置に再配列しました。

photo 1973

永久歯の犬歯の萌出スペースが足りません。このままでは八重歯になってしまいます。始めに舌が上顎の正しい位置(スポット)に誘導する為に、拡大床で顎の大きさを広げ舌の挙上トレーニング等のMFT(口腔筋機能療法)を併用し行いました。安定した咬合を得るためには、口腔周囲筋と舌の筋肉のバランスがとれた位置に歯が並ぶことが必須です。

photo 1974

1期治療終了後に筋機能矯正装置を使用する事により、歯が口腔周囲筋と舌の筋肉のバランスがとれた位置に再配列されていきます。

photo 1975

ワイヤー矯正により、正常な顎と顎関節の発育を促す為に咬合高径・咬合平面を適正化しています。

photo 1976

ワイヤー矯正により、正常な顎と顎関節の発育を促す為に咬合高径・咬合平面を適正化しています。

photo 1977

ワイヤー矯正により、正常な顎と顎関節の発育を促す為に咬合高径・咬合平面を適正化しています。

photo 1978

ワイヤー矯正により、正常な顎と顎関節の発育を促す為に咬合高径・咬合平面を適正化しています。

 

<参考>

過去の症例はこちら

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