下顎の成長発育が旺盛な反対咬合の小児矯正治療について【album 343】

成長発育期にある小児の反対咬合の治療は、性別によって仕上げる時期が異なります。下顎の成長は女子の場合14歳位、男児の場合は18歳位まで続きます。従って、女子の場合は男子より早めに仕上げの治療(2期治療)を行う事が出来ますが、男子の場合は16〜7歳位まで下顎の成長を見ながら仕上げの治療を開始することにしています。今回の症例は、下顎の前方成長が旺盛な男子で1期治療の終了時期が延長されました。

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1期治療の治療結果です。反対の被蓋が改善した後も下顎の前方成長が旺盛で、仕上げの2期治療が必要と思われます。

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上顎の大きさを拡大し、舌の挙上訓練を中心に口腔筋機能療法(MFT)を行っています。1期治療で下顎の過成長を出来るだけコントロールする為には、舌が上顎の正しい位置(スポット)に収まることはとても大切です。また、この訓練により上顎の成長も促す事が出来ます。特に下顎の成長が旺盛な症例では、1期治療で出来るだけ上顎を大きく成長させる事により、2期治療で外科矯正(顎切り)を回避できる可能性が高まります。

それでは実際の1期治療の経過をご覧下さい。

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奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を最適化しながら上顎を大きく拡大し、舌の挙上訓練を行いながらワイヤー矯正で被蓋を改善しました。その後、更なる下顎の前方成長が認められたため上顎前歯を舌側から前方にワイヤーで押し筋機能矯正装置を用いたリテーナーを使用しています。

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奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を最適化しながら上顎を大きく拡大し、舌の挙上訓練を行いながらワイヤー矯正で被蓋を改善しました。その後、更なる下顎の前方成長が認められたため上顎前歯を舌側から前方にワイヤーで押し筋機能矯正装置を用いたリテーナーを使用しています。

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奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を最適化しながら上顎を大きく拡大し、舌の挙上訓練を行いながらワイヤー矯正で被蓋を改善しました。その後、更なる下顎の前方成長が認められたため上顎前歯を舌側から前方にワイヤーで押し筋機能矯正装置を用いたリテーナーを使用しています。

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奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を最適化しながら上顎を大きく拡大し、舌の挙上訓練を行いながらワイヤー矯正で被蓋を改善しました。その後、更なる下顎の前方成長が認められたため上顎前歯を舌側から前方にワイヤーで押し筋機能矯正装置を用いたリテーナーを使用しています。

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奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を最適化しながら上顎を大きく拡大し、舌の挙上訓練を行いながらワイヤー矯正で被蓋を改善しました。その後、更なる下顎の前方成長が認められたため上顎前歯を舌側から前方にワイヤーで押し筋機能矯正装置を用いたリテーナーを使用しています。

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下顎の前方成長が旺盛なため、上顎を出来るだけ大きく発育させるように1期治療を行っています。

photo 2011

反対咬合の1期治療では、舌の挙上訓練がとても大切です。また、反対咬合の小児の多くは下唇周囲の筋肉の緊張が弱く、上唇周囲の筋肉の緊張が強い傾向があります。従って、口腔筋機能療法(MFT)によって、口腔周囲筋のバランスを改善する事はとても大切です。

 

<参考>

過去の症例はこちら

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