上顎前突と過蓋咬合の筋機能矯正装置による矯正治療【album 342】
機能的で安定した咬み合わせを確立するためには、口腔周囲筋と舌の筋肉のバランスがとれた位置に歯が並んでいなければなりません。見かけ上綺麗な歯並びでも筋肉のバランスがとれた位置に配列されていなければ歯並びが安定しない恐れがあります。それでは、前歯の裏側をワイヤーで固定してしまえばどうでしょう。前歯の並びは変化しないでしょうが、それだけでは機能的な咬合を維持することは難しいのであります。それではどのようにすればいいのでしょう。自分の筋肉のバランスを整えながら安定した機能的な咬み合わせを作ることが出来る方法があります。それは、筋機能矯正装置を用いる矯正治療法です。この装置は、成長発育期にある小児の時期から使用する事により上下顎の骨及び顎関節の正常な発育を促し、機能的な歯並びを誘導する事が出来ます。当院では、この装置と口腔筋機能療法(Oral Myofunctional Therapy、MFT)を併用して行っています。このトレーニングにより口呼吸を改善し鼻呼吸の確立を目指しています。口呼吸は、不正咬合や矯正治療後の後戻りの原因にもなります。また、非抜歯で矯正治療を行うためには、上下顎並び顎関節の正常な発育を促す事はとても大切です。
<参考>
筋機能矯正装置(トレーナーシステム)を用いた咬合誘導・咬合育成について
photo 1994
永久歯が並ぶ為のスペースが足りません。始めに取り外し式の拡大床で顎を広げ、その後筋機能矯正装置を使用して咬合誘導・咬合育成を行い非抜歯で機能的で綺麗な歯並びを構築することが出来ました。
photo 1995
永久歯が並ぶ為のスペースが足りません。始めに取り外し式の拡大床で顎を広げ、その後筋機能矯正装置を使用して咬合誘導・咬合育成を行い非抜歯で機能的で綺麗な歯並びを構築することが出来ました。
それでは実際の治療経過をご覧下さい。
photo 1996
深すぎる咬み合わせ(過蓋咬合)が改善していく様子をご覧下さい。深すぎる咬み合わせは、顎関節に過剰な負担を加え顎関節症を発症する恐れがあります。早期に改善することが望ましいと思われます。
photo 1997
後退した下顎を筋機能矯正装置で前方に誘導し、上顎前突と過蓋咬合を改善しました。後退した下顎は顎関節に過剰な圧迫を加え顎関節症を発症する恐れがあります。
photo 1998
後退した下顎を筋機能矯正装置で前方に誘導し、上顎前突と過蓋咬合を改善しました。後退した下顎は顎関節に過剰な圧迫を加え顎関節症を発症する恐れがあります。
photo 1999
後退した下顎を筋機能矯正装置で前方に誘導し、上顎前突と過蓋咬合を改善しました。一時的に八重歯になりそうでしたが、根気強く筋機能矯正装置を使用する事により非抜歯で八重歯を回避することが出来ました。
photo 2000
後退した下顎を筋機能矯正装置で前方に誘導し、上顎前突と過蓋咬合を改善しました。一時的に八重歯になりそうでしたが、根気強く筋機能矯正装置を使用する事により非抜歯で八重歯を回避することが出来ました。
photo 2001
筋機能矯正装置により上顎の正常発育を促す事が出来ました。一時的に八重歯になりそうでしたが、継続した筋機能矯正装置の使用により綺麗な歯並びを得る事が出来ました。
photo 2002
筋機能矯正装置により下顎の正常な発育を促す事が出来ました。
<参考>