下顎の成長発育が旺盛な小児の反対咬合の1期治療について【album 348】

今回は、反対の咬み合わせを気にして来院した小学校3年生男子の症例について考えてみたいと思います。
成長発育期にある小児の反対咬合の治療は仕上げの2期治療開始時期が男女で異なります。何故なら、女子は下顎の成長発育は14歳位までですが男子は18歳位まで続きます。従って、女子の場合は比較的早めに仕上げの2期治療を開始できますが、男子は高校生ぐらいにならないと仕上げの治療を行う事が出来ません。当院では、1期治療で被蓋の改善を行い上顎の成長発育を促すような治療を心がけるようにしています。低位舌の症例では、上顎の拡大と舌の挙上トレーニングは継続して行います。下顎の成長発育が旺盛な男子は2期治療で出来るだけ外科矯正(顎切り)にならないように、上顎の成長発育を促す治療を継続して行う事にしています。成長発育期にある小児矯正は、適切な咬合誘導・咬合育成がとても大切です。それでは実際の1期治療をご覧下さい。

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始めに咬合平面・咬合高径を適正化する治療を行いました。その後、低位舌が見られましたので上顎の拡大を行い、舌の挙上トレーニングを指導しました。八重歯を回避して上顎前歯の配列をする為に部分的なワイヤー矯正を行いました。しかし、下顎の成長発育が旺盛で十分な被蓋改善をすることは出来ませんでした。この様に下顎の成長が旺盛な場合、2期治療は必須でありますので1期治療の目標は上顎の成長を促し外科矯正を出来るだけ避けるようにしています。2期治療では、更なる咬合平面・咬合高径の適正化を行い全ての歯にブラケットを漬けて全額的なワイヤー矯正治療を行う必要があると思われます。

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下顎の成長発育が旺盛で1期治療では十分な被蓋の改善は行えませんでした。下顎の成長発育を見ながら適切な時期に2期治療を行う必要があります。

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下顎の成長発育が旺盛で1期治療では十分な被蓋の改善は行えませんでした。下顎の成長発育を見ながら適切な時期に2期治療を行う必要があります。

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下顎の成長発育が旺盛で1期治療では十分な被蓋の改善は行えませんでした。下顎の成長発育を見ながら適切な時期に2期治療を行う必要があります。

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下顎の成長発育が旺盛で1期治療では十分な被蓋の改善は行えませんでした。下顎の成長発育を見ながら適切な時期に2期治療を行う必要があります。

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1期治療では拡大床による上顎の拡大と部分的なワイヤー矯正で前歯の配列を行っています。左上の第2小臼歯が捻転していますが、2期治療で修正する予定です。

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下顎の成長発育は旺盛ですので、何もしなくても自然にある程度綺麗に配列されました。1期治療終了後は出来るだけ下顎の成長発育を抑え、上顎の成長発育を促す目的で筋機能矯正装置をリテーナーとして使用しました。

 

<参考>

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