小児矯正治療における上顎側切歯先欠の対処法について【album 352】

下の前歯の歯並びを気にして来院した小学校1年生の小児の症例です。術前のレントゲン検査で上顎右側側切歯が先天性欠如であることが分かりました。カウンセリングで欠損部位にどのような治療が望ましいか説明をし、最終的に顎の成長発育が終了して咬合が安定したらインプラントをする事に致しました。また、左上の側切歯は矮小歯ですので、将来セラミックかジルコニアでラミネートベニア修復することに致しました。そこで、1期治療ではワイヤー矯正等は行わずに取り外しの装置で咬合誘導・咬合育成して行くことにしました。小児矯正では、顎の成長発育を見ながら欠損補綴をする時期を検討する必要があります。それでは、実際の治療経過をご覧下さい。

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右上の先欠の側切歯のスペースを確保しながら、咬合誘導・咬合育成を行っています。右上の側切歯の欠損部位は右上の中切歯の遠心にレジンで仮に歯を作っています。経過を見ていると右上の側切歯の萌出部位から右上の犬歯が萌出してきました。その後、右上の犬歯、第一小臼歯、第二小臼歯を遠心に誘導しています。

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下顎は小さいために前歯が並びそうにありません。取り外しの拡大床で顎を広げ咬合誘導・咬合育成を行い全ての永久歯が萌出するまで経過観察しています。

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1期治療ではワイヤー矯正による積極的な治療は行わず取り外し装置で咬合誘導・咬合育成を行っています。上下顎の成長発育が終わるまで経過を見て咬合が安定したら、インビザラインで左右の側切歯のスペースを確保しながら仕上げの2期治療行う予定です。その後、右側側切歯はインプラント補綴、左側側切歯は歯を削らないでセラミックまたはジルコニアのベニアクラウンで補綴を予定しています。

 

<参考>

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