インビザラインによる反対咬合治療のメリットについて【album 357】

今回は、ワイヤー矯正で反対咬合を治療した既往がある成人女性の反対咬合の再治療について考えてみます。反対咬合の治療は下顎の成長発育を考慮して行う必要があります。女性の場合は14歳位、男性の場合は18歳位まで下顎の成長発育は認められます。従って、一度反対の咬み合わせを改善しても下顎の成長発育によって再び反対咬合になる場合があります。しかし、一度ワイヤー矯正で苦労して治療をした経験がある患者さんは、再びワイヤー矯正で再治療をする事にためらうことが多く見受けられます。そこで、目立たなくて治療中も快適に食事や歯ブラシが出来るインビザライン矯正治療を勧めたところ、再治療の決断をする事が出来ました。治療前後の写真をご覧下さい。

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インビザラインによる矯正治療前後の咬み合わせをご覧下さい。

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インビザラインによる矯正治療前後の咬み合わせをご覧下さい。

インビザラインは透明なマウスピースを用いて快適に矯正治療を行う事が出来ます。ワイヤー矯正で辛い経験を持っている方の再治療にお勧めです。ワイヤー矯正は毎月調整が必要で来院回数も多くなりますが、インビザラインは3から4ヶ月毎の通院で快適に治療が出来ます。それでは、実際の治療経過をご覧下さい。

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インビザラインは歯と同じ色のアタッチメントという突起を歯に接着して効率よく歯を動かす事が出来ます。突起は小さいので余り違和感も無く、治療後に綺麗に除去する事が出来ます。ワイヤー矯正では、食事の時や歯ブラシの時にブラケットやワイヤーに引っ掛かるのでとても大変です。但し、全ての症例がインビザラインだけで治療する事が出来るわけではありません。ワイヤー矯正を併用する場合もございます。

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徐々に咬み合わせが改善し咬合が緊密になっていきます。特に犬歯誘導がしっかり出来るように咬み合わせを作り上げることが大切です。犬歯誘導が確立できないと歯ぎしりの時に奥歯に過剰な負担が加わり奥歯の寿命に影響を与えます。また、顎関節にも悪い影響がありますので、機能的で安定した咬み合わせを確立する事が大切です。

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インビザラインの治療でもワイヤー矯正同様に下顎を後退させ歯を動かす反作用を抑えるために顎間ゴムが必要となります。インビザラインを装着したらすぐに顎間ゴムを使用しなければなりません。

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顎間ゴムの作用により比較的早期に反対の咬み合わせが改善しました。インビザラインのシミュレーションでは、下顎の奥歯の順次遠心移動を行い下の前歯を後方に下げました。

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徐々に咬合が緊密になっていく様子をご覧下さい。

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インビザラインでアーチの形態を整えています。

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顎の形の変化をご覧下さい。奥歯を後退させ前歯の歯軸を舌側に倒しています。

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反対の咬み合わせが改善し咬合が緊密になる様子をご覧下さい。

<参考>

過去の症例はこちら

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