八重歯治療の大臼歯後方移動の副作用(開咬)の対処法について【album 360】

永久歯の犬歯の萌出スペースが不足している場合、そのスペースを確保するために非抜歯矯正治療を行うためには奥歯を後方に移動させる必要があります。しかし、奥歯を後方に移動するとその反作用で前歯が開咬になる事があります。噛む力が強く骨格がしっかりしている症例では、深すぎる咬み合わせ(過蓋咬合)が改善され丁度都合が良い場合もありますが、今回の症例では噛む力はそれ程強くなく咬み合わせも浅い症例では、治療途中に前歯がかみ合わなくなる開咬の状態となる事があります。今回は上顎犬歯のスペースを確保して八重歯を改善した後に、チューブによる咬合力強化のトレーニングをして開咬を改善しました。それでは実際の治療経過をご覧下さい。

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八重歯を改善する為に奥歯を後方移動してワイヤーで治療を行いました。咬合平面並び咬合高径を適正化して咬み合わせを修正しましたが、前歯部が開口になってしまいました。咬合力を付けるためにチューブを用いた筋トレを行って前歯部が咬合するように改善する事が出来ました。左上の側切歯は矮小歯で右上より歯の大きさが足りません。気になる場合は、ラミネートベニアを右上の側切歯を参考にして大きさを調節したセラミックの薄いものを接着することで改善出来ます。その場合は、矯正治療で左上の側切歯の近心と遠心にスペースを設ける必要があります。

<参考>
矮小歯とは、の大きさが通常のと比べて非常に小さいのことで、上顎の側切(真ん中から数えて2番目の前歯)は好発部位のひとつです。
ラミネートベニアとは、歯の色をした薄いセラミックを貼り付けて見かけを改善する方法です。ほとんど歯を削る必要はありません。

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咬合平面と咬合高径を適正化して犬歯の萌出スペースを確保し咬合誘導・咬合育成しています。治療途中開口になりましたが、チューブトレーニングで咬合させることが出来ました。

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咬合平面と咬合高径を適正化して犬歯の萌出スペースを確保し咬合誘導・咬合育成しています。治療途中開口になりましたが、チューブトレーニングで咬合させることが出来ました。

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下顎の位置を咬合高径並び咬合平面を適正化して調節しています。

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下顎の位置を咬合高径並び咬合平面を適正化して調節しています。

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左右の永久歯犬歯の萌出スペースが足りません。ワイヤー矯正で奥歯を後方移動してスペースを確保し八重歯を回避しました。

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上顎の大きさに合わせて下顎を広げ叢生を改善しています。

<参考>

過去の症例はこちら

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