人生100年を考慮した矯正治療 【album 362】

人生100年時代に突入した昨今、矯正治療を始める年齢も変化してきました。
今回は、「人生の楽しみである食事を、よく噛んで美味しく充実させたい」と矯正治療を決意した患者さんの症例を紹介します。年齢は70歳超えの患者さんです。「歯周病も進行し、前歯でよく噛めない」と言う主訴で当院を来院しました。先ず治療前のレントゲン写真をご覧下さい。

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主訴の下の前歯はかなり歯周病が進行し歯を支える歯槽骨がかなり吸収しています。特に左下の中切歯は内側に移動して動揺も酷い状態です。しかし、歯をなるべく抜きたくないと言うことですので、歯周病の治療を行いながら非抜歯で再配列することに致しました。

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治療前後の写真をご覧下さい。
歯周病の炎症が改善し歯ブラシのしやすい歯並びを得る事が出来ました。

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歯周病が進行していることと年齢等を考慮して細くて弾力のあるワイヤーを用いてゆっくり歯の移動を行いました。初めはかなり動揺のあった下顎左側中切歯も治療が進むにつれて動きが少なくなりました。また、歯並びが良くなったことで歯ブラシもしやすくなり歯周病の炎症も改善しました。
今後も歯並びと歯周病の管理を定期的に行い、人生のQOL(クオリティーオブライフ)を向上させるように協力していきたいと考えています。

<結論>
矯正治療を始める年齢は制限がありません。
歯周病が進行しても諦めないで矯正治療を行う事で改善が認められ歯の寿命を伸ばすことが出来ます。
充実した食生活を考えている方に少しでもお役に立てれば幸いと存じます。

 

<参考>

過去の症例はこちら

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