犬歯(糸切り歯)の咬み合わせはとても大切 【album 365】

今回は犬歯のかみ合わせが反対になっている事により、どのような不具合が起こるかを考えてみたいと思います。
昭和の頃は八重歯が可愛いアイドルが活躍していましたが、八重歯を放置すると顎関節症や歯周病のリスクが高まリます。犬歯は、正常な咬み合わせ(1級関係)でしっかり犬歯誘導ができるようにして、奥歯や顎関節を保護するような咬み合わせに仕上げることがとても大切です。

<犬歯誘導について>
食べ物を噛む時に奥歯を上下にかみ合わせるだけではなく左右に動かして咀嚼します。その時、正常な咬み合わせ(1級関係)なら上下に噛む時は全ての歯が咬み合っていますが、顎を左右に動かしたときには上下の犬歯がかみ合って奥歯がかみ合わない状態なります。この様に顎を左右に動かしたときに犬歯だけが咬み合って奥歯が噛んでない状態となる咬み合わせを犬歯誘導と言います。奥歯は、縦方向の噛む力にはとても強いのですが、横方向に力がかかると比較的弱いという特徴があります。もし犬歯誘導がないと奥歯がかみ合って横方向の力が加わり歯を支える歯槽骨が吸収して歯周病を発症する事もあります(咬合性外傷)。また、奥歯がかみ合っていると顎関節に過剰な力が加わり顎関節症を発症する恐れがあります。

それでは、犬歯の咬み合わせが反対のために犬歯誘導が出来ない症例の治療法をご覧下さい。
先ずは治療前後の写真です。

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左上の犬歯が交叉咬合です。ワイヤー治療で概ね反対の咬み合わせを改善してから、インビザラインで仕上げました。

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左上の犬歯が交叉咬合です。ワイヤー治療で概ね反対の咬み合わせを改善してから、インビザラインで仕上げました。

犬歯関係を1級の正常な咬み合わせにすることにより、歯ぎしりや咀嚼の時に奥歯や顎関節に加わる過剰な力を軽減することが出来ます。特に歯ぎしりの時はかなりの負担が加わります。

それでは実際の治療経過をご覧下さい。

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深い犬歯の交叉咬合を改善する為にワイヤー矯正で治療を開始しました。概ね犬歯の反対咬合を改善した後に虫歯や歯周病のリスクを避けるために、取り外し可能の透明なマウスピースを用いたインビザラインで仕上げを行い、犬歯の正常な1級関係にして犬歯誘導を構築しました。

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深い犬歯の交叉咬合を改善する為にワイヤー矯正で治療を開始しました。概ね犬歯の反対咬合を改善した後に虫歯や歯周病のリスクを避けるために、取り外し可能な透明なマウスピースを用いたインビザラインで仕上げを行い、犬歯の正常な1級関係にして犬歯誘導を構築しました。

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インビザラインの治療は審美的に優れているだけでなく、食事や歯ブラシの時に取り外しが出来るために矯正治療中もワイヤー矯正よりも快適です。当院では、ワイヤー矯正で治療を開始してもできるだけ早く装置を外してインビザラインで仕上げることを勧めています。出来るだけ負担が少ない矯正治療を目指しています。

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ワイヤー矯正治療後にインビザラインを用いて犬歯の1級関係を構築するように仕上げを行いました。

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ワイヤー矯正治療後にインビザラインを用いて犬歯の1級関係を構築するように仕上げを行いました。

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咬合平面は特に問題有りませんでしたので、変化しないように治療を行っています。

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咬合平面は特に問題有りませんでしたので、変化しないように治療を行っています。

<結論>
犬歯のかみ合わせは奥歯や顎関節を保護するために極めて重要です。八重歯や犬歯のかみ合わせがおかしいときは改善する必要があります。矯正治療の目的は、審美的・美容的なものだけではありません。機能的で安定した咬合を構築する事がとても大切です。

<参考>

過去の症例はこちら

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