正常な咬合と交叉咬合・顎偏位について【album 366】

正常な咬合とは、上の歯列全体が下の歯列よりもやや外側に出て覆い被さるように噛んでいます。この事によりスムーズな咀嚼運動を行う事ができ、顎関節の動きを制限することはありません。それに対して交叉咬合は、上下の歯を噛み合わせた時に上下の歯列が交叉して 上の歯列よりも下の歯列が外側に出ている咬み合わせのことをいいます。それでは同じような言葉に反対咬合があります。主に下の前歯が上の前歯より前方にある交叉咬合を反対咬合(受け口)と呼びます。共に顎や顎関節の成長発育期である小児のうちに改善することが望ましいと思われます。何故なら咬み合わせが逆になる事により下顎がずれて顎偏位を起こしていることが多いためです。顎偏位は、できるだけ早く改善しないと顎のずれがひどくなり顔が歪んできます。歪みがひどくなると外科矯正(顎切り)が必要となる恐れがあります。また、反対の咬み合わせによって顎の動きが制限され過剰な負担が加わると顎関節症になる恐れもあります。それでは、今回は、側切歯の交叉咬合の治療法について見ていきたいと思います。

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上顎の側切歯が内側に萌出して咬み合わせが反対となっています。この事により下顎の位置が誘導され顎偏位を起こしています。顎の成長発育期になる小児のうちに改善しておかないと顎変形症になり顔が歪み外科矯正が必要となる恐れがあります。部分的なワイヤー矯正によって正常な咬み合わせに改善しました。

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側切歯の交叉咬合により下顎が左にずれています(顎偏位)。このまま放置すると顔が歪んでしまいます。早期に改善することにより顎及び顎関節を正常に発育させることが出来ました。顎の成長発育期の早期に交叉咬合を改善し適切な咬合誘導・咬合育成を行うことはとても大切です。

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ワイヤー矯正で交叉咬合を改善し下顎の位置を正しい位置に誘導しました。

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ワイヤー矯正で交叉咬合を改善し下顎の位置を正しい位置に誘導しました。

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下顎の大きさが小さいため下の前歯が並んでいません。ワイヤー矯正でアーチを拡大し配列しました。

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咬合平面並びに咬合高径を適正化する事により下顎の位置を誘導しています。

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咬合平面並びに咬合高径を適正化する事により下顎の位置を誘導しています。

<参考>

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