成人矯正治療における筋機能矯正装置を使用するメリットにつて【album 370】

筋機能矯正装置は、顎や顎関節の成長発育途上の小児に用いるとそれらの正常な発育を促す事が出来ます。しかし、顎の成長発育が見込めない成人に使用しても色々なメリットがあります。

<成人矯正治療における筋機能矯正装置を用いた矯正治療のメリット>
①ある程度の歯槽骨の形態修正が可能(叢生を改善)
②下顎を前方に誘導する事により就寝時に舌の沈下によって喉の奥の気道が狭まりいびきや無呼吸が起こる事を防ぎ、睡眠の質を向上させることが出来る。
③歯ぎしりによる顎関節に加わる過剰な負担を軽減出来る→顎関節症の改善や予防
④歯ぎしりによる奥歯の負担を軽減(咬合性外傷を軽減)→歯周病の進行抑制
④歯並びが改善され磨き残しが減少し歯周病・虫歯の予防効果が期待出来る
⑤ワイヤー矯正やインビザライン矯正と比べ治療費がリーズナブルである
⑥就寝時のみ装置を使用することにより、ある程度の歯並びの改善が認められる(審美性の改善)
⑦異常嚥下癖や不正な舌の位置を修正して口腔周囲筋とのバランスの良い安定した位置へ歯を配列できる
等々

<成人矯正治療における筋機能矯正装置を用いた矯正治療のデメリット>
①不正咬合の程度により適応出来ない場合がある
②ワイヤー矯正やインビザライン矯正と比べ確実な歯の移動が行えない
③とりはずし式なので患者さんの治療に対する理解と協力度に治療結果が左右される

それでは長期間筋機能矯正装置を使用している成人の歯並びの変化をご覧下さい。

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下顎前歯部の叢生が歯槽骨の形態修正により改善されていきます。歯並びが良くなることによりブラッシングがしやすくなるため虫歯や歯周病の予防効果があると思われます。

photo 2184

上顎も下顎同様にある程度の歯槽骨形態修正による歯並びの改善が見込めます。

photo 2185

筋肉の力により顎の大きさが大きくなり、ある程度の歯並びの改善が認められます。但し、上下顎骨や顎関節の成長発育は有りません。

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筋機能矯正装置により僅かな咬合平面・咬合高径の適正化が認められます。

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筋機能矯正装置により僅かな咬合平面・咬合高径の適正化が認められます。

photo 2188

上顎前歯部が舌側に傾斜してある程度のオーバージェットの改善が認められます。但し、顎や顎関節の成長発育は認められません。

photo 2189

上顎前歯部が舌側に傾斜してある程度のオーバージェットの改善が認められます。但し、顎や顎関節の成長発育は認められません。

<参考>

過去の症例はこちら

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