顎が小さく永久歯の前歯が並ばない album 173

顎の形は何処まで変えられるのか!
(歯槽骨形態修正の実際) その 52

今回は、顎が小さく永久歯の前歯が並ばないことを主訴として来院した患者さんの1期治療後の咬合誘導・咬合育成について見ていきます。
当院では小児矯正の場合、先ずは全ての永久歯が並ぶ為の顎の大きさを確保した後、永久歯の前歯4本を配列していきます。その後は、全ての乳歯が生えかわるまで口腔筋機能療法(MFT)を継続して筋機能矯正装置(トレーナーシステム)により口腔の筋肉のバランスを整えながら咬合誘導・咬合育成を行って行きます。
それでは、実際の治療を見ていきましょう。

<追伸>
当院の「歯を抜かない矯正歯科の症例写真」です。
このalbumシリーズのコンセプトはalbum1に掲載しています。

歯列矯正治療をお考えの方、是非ご覧ください。
「albumシリーズのコンセプト(2019年3月17日掲載)」

<参考>

歯並びが悪い(不正咬合)とは?
不正咬合の種類と問題点
(クリックHere)

なぜ歯並びを治した方が良いの?
歯並びを治すと色々と良いことが・・・(矯正治療のメリット)
(クリックHere)

子供の矯正治療をスタートする目安 その 1
「生え代わりの時期が来ても、上顎の乳前歯の間に隙間(発育空隙)がない時」
(クリックHere)

子供の矯正治療をスタートする目安 その 2
「不正咬合に気が付いたとき」
(クリックHere)

photo 882

始めに歯槽骨の形態修正をして顎の十分な大きさを確保してから、永久歯の前歯を並べていきます。その後、咬合の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化し、筋機能矯正装置(トレーナーシステム)で筋肉のバランスを整えながら歯を誘導していきます。最後の写真では左上の永久歯の犬歯が八重歯気味になっていますが、左上の第2乳臼歯が抜けるとリーウエイスペースが有るため犬歯が押し込まれ並んでいくと思われます。

<参考>
リーウエイスペースについて
「生え代わり時期が来ても、上顎の乳前歯の間に隙間(発育空隙)がない時」

photo 883

下顎が小さいため永久歯の前歯が並んでいません。歯槽骨形態修正を施し、顎の大きさを拡大し歯を配列していきます。その後は、全ての乳歯が生えかわるまでトレーナーシステムで歯を誘導していきます。
最後の写真をご覧下さい。上顎同様に右側の第二乳臼歯が抜けその下から乳歯より小さな永久歯(第2小臼歯)が萌出してきました。リーウエイスペースが十分い有るため筋肉のバランスを整えると自然に理想的な位置へ移動してかみ合わせが誘導されていきます。

<参考>
リーウエイスペースについて
「生え代わり時期が来ても、上顎の乳前歯の間に隙間(発育空隙)がない時」

photo 884

1期治療後の咬合誘導・咬合育成によって永久歯の犬歯が八重歯にならずに自然に並んでいきます(リーウエイスペースの利用)

<参考>
リーウエイスペースについて
「生え代わり時期が来ても、上顎の乳前歯の間に隙間(発育空隙)がない時」

photo 885

トレーナーシステムにより、リーウエイスペース(乳歯のCDEの幅の総和がその下から萌出する永久歯345の総和より大きい為に生じるスペース)を利用して永久歯の犬歯が理想的なかみ合わせ(1級関係)に誘導されていく様子をご覧下さい。下顎の犬歯と第一小臼歯の間に上顎の犬歯がかみ合う(1級関係)になることにより、犬歯誘導(歯ぎしりをした時に犬歯により奥歯を保護する事が出来ます)がスムースに出来るようになり、奥歯に異常な咬合力が加わらない顎の関節にも優しいかみ合わせを作り上げることができます。

<参考>
リーウエイスペースについて
「生え代わり時期が来ても、上顎の乳前歯の間に隙間(発育空隙)がない時」

photo 886

トレーナーシステムにより、リーウエイスペース(乳歯のCDEの幅の総和がその下から萌出する永久歯345の総和より大きい為に生じるスペース)を利用して永久歯の犬歯が理想的なかみ合わせ(1級関係)に誘導されていく様子をご覧下さい。下顎の犬歯と第一小臼歯の間に上顎の犬歯がかみ合う(1級関係)になることにより、犬歯誘導(歯ぎしりをした時に犬歯により奥歯を保護する事が出来ます)がスムースに出来るようになり、奥歯に異常な咬合力が加わらない顎の関節にも優しいかみ合わせを作り上げることができます。

<参考>
リーウエイスペースについて
「生え代わり時期が来ても、上顎の乳前歯の間に隙間(発育空隙)がない時」

 

矯正症例集閲覧に当たって
顎の大きさを歯槽骨の形態修正によって大きく広げ、適切な咬合誘導・咬合育成を行えば、成長発育期の小児の場合、顎の骨の成長発育を促す事は出来ます。
また、顎骨や顎関節の成長発育が期待出来ない成人においても、ある程度までなら歯槽骨の形態修正によって顎を広げて、歯を並べるスペースを確保することができます。
但し、個人個人の顎の形態・大きさ・歯槽骨の幅・歯軸等は異なりますので、歯槽骨の形態修正には限界があります。
全ての症例が、非抜歯で矯正できるわけではありません。
現在当院では、「できるだけ歯を抜かない非抜歯矯正治療」を実践するために、最新の歯科用CTを導入し、歯の移動を制限する様々な解剖学要因(歯槽骨の幅・歯根の3次元的な位置・顎l骨の3次元的形態・歯根尖と切歯管の3次元的な位置関係等)を慎重に分析しています。

顎が小さくて歯が並ばない時の対処法
①顎を徐々に広げる側方拡大(歯槽骨形態修正)
②臼歯を後方移動
③歯の間をやすりで削り(最大で約0.5㎜)スペースを創るIPR(InterProximal Reduction)
④小臼歯を抜歯して歯を並べる
⑤急速拡大(上顎の正中口蓋縫合が未だ癒着していない小児の上顎を急速に広げ、縫合を開いて新生骨を添加する)
の5つの方法があります。
当院では主に①②③の方法を採用しています。
(上顎大臼歯に近心回転が認められる時は、その改善もスペース獲得には有効)

矯正治療には、いくつかのリスクと副作用が有ります。
矯正治療をお考えの方は、下記の記事をご参照ください。
「矯正歯科治療で生じうるリスクや副作用について」(クリックHere)

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