下顎が右に3ミリほどずれている小児 album 174
顎の形は何処まで変えられるのか!
(歯槽骨形態修正の実際) その 53
今回紹介する症例は顎が小さいだけではなく,下顎が右に3ミリほどずれている小児の患者さんです。
顎のズレを放置して置くと、やがて顔が歪んで顎変形症に移行する可能性があります。機能的な問題から骨格的問題へ移行すると矯正治療での咬み合わせの改善で対応するには限界がありますので、外科的矯正治療(顎切り)を併用しなければならない場合もあります。顎のずれに気がついたら早めにご相談ください。
それでは実際の症例をご覧ください。
<追伸>
当院の「歯を抜かない矯正歯科の症例写真」です。
このalbumシリーズのコンセプトはalbum1に掲載しています。
歯列矯正治療をお考えの方、是非ご覧ください。
「albumシリーズのコンセプト(2019年3月17日掲載)」
<参考>
歯並びが悪い(不正咬合)とは?
不正咬合の種類と問題点
(クリックHere)
なぜ歯並びを治した方が良いの?
歯並びを治すと色々と良いことが・・・(矯正治療のメリット)
(クリックHere)
子供の矯正治療をスタートする目安 その 1
「生え代わりの時期が来ても、上顎の乳前歯の間に隙間(発育空隙)がない時」
(クリックHere)
子供の矯正治療をスタートする目安 その 2
「不正咬合に気が付いたとき」
(クリックHere)
photo 887
初診時、左右の奥歯のかみ合わせ(咬合平面)と奥歯の高さ(咬合高径)に左右差がありました。
左上の顎の発育に比べ右上の顎の発育が悪く、左側の奥歯のかみ合わせ(咬合平面)が顎関節の運動路(顆路)に対してほとんど平行で、歯ぎしり(側方運動)の時、奥歯が離開せず干渉し続け顎関節に負担が加わり下顎の左側の前方成長を阻害していると診断されました。その為、左側に下顎の正中が3㎜ほどずれる症状が起こっていると思われます。この様な状態を放置すると、顎関節症を発症するリスクがあり、顔が歪み骨格的な問題に発展すれば外科矯正治療(顎切り)の可能性もあります。
顎のずれは、顎の骨の成長発育がある小児のうちに早めに矯正治療を開始することが大切です。
小児矯正(子供の矯正)顎変形症 歯を抜かない非抜歯矯正 咬合誘導 咬合育成 八重歯矯正
顎関節症
photo 888
前歯の並びが凸凹しているという主訴で来院した小児の患者さんです。顎のずれには気が付いていませんでしたので、歯並びの改善と顎のずれの改善が必要であると説明して矯正治療をスタートしました。顎の大きさが小さいため始めに歯槽骨形態修正を行い顎を広げました。その後、部分的なワイヤー矯正(2×4システム)で治療を行い、歯の配列と咬合高径・咬合平面の適正化を行っています。1期治療で八重歯にならないように永久歯の犬歯の萌出スペースも確保しています。
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上顎同様に顎の大きさを広げて、その後部分的なワイヤー矯正で歯並びを改善しています。
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左右の顎の発育が異なります。左右の奥歯のかみ合わせを改善して顎のずれを改善しています。
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咬合高径並びに咬合平面の改善によって、下顎の位置が変化していきます。小児の1期治療終了後は、引き続き筋機能矯正装置(トレーナーシステム)で咬合誘導並び咬合育成を行って行きます。
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咬合高径並びに咬合平面の改善によって、下顎の位置が変化していきます。小児の1期治療終了後は、引き続き筋機能矯正装置(トレーナーシステム)で咬合誘導並び咬合育成を行って行きます。
矯正症例集閲覧に当たって
顎の大きさを歯槽骨の形態修正によって大きく広げ、適切な咬合誘導・咬合育成を行えば、成長発育期の小児の場合、顎の骨の成長発育を促す事は出来ます。
また、顎骨や顎関節の成長発育が期待出来ない成人においても、ある程度までなら歯槽骨の形態修正によって顎を広げて、歯を並べるスペースを確保することができます。
但し、個人個人の顎の形態・大きさ・歯槽骨の幅・歯軸等は異なりますので、歯槽骨の形態修正には限界があります。
全ての症例が、非抜歯で矯正できるわけではありません。
現在当院では、「できるだけ歯を抜かない非抜歯矯正治療」を実践するために、最新の歯科用CTを導入し、歯の移動を制限する様々な解剖学要因(歯槽骨の幅・歯根の3次元的な位置・顎l骨の3次元的形態・歯根尖と切歯管の3次元的な位置関係等)を慎重に分析しています。
顎が小さくて歯が並ばない時の対処法
①顎を徐々に広げる側方拡大(歯槽骨形態修正)
②臼歯を後方移動
③歯の間をやすりで削り(最大で約0.5㎜)スペースを創るIPR(InterProximal Reduction)
④小臼歯を抜歯して歯を並べる
⑤急速拡大(上顎の正中口蓋縫合が未だ癒着していない小児の上顎を急速に広げ、縫合を開いて新生骨を添加する)
の5つの方法があります。
当院では主に①②③の方法を採用しています。
(上顎大臼歯に近心回転が認められる時は、その改善もスペース獲得には有効)
矯正治療には、いくつかのリスクと副作用が有ります。
矯正治療をお考えの方は、下記の記事をご参照ください。
「矯正歯科治療で生じうるリスクや副作用について」(クリックHere)
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石井歯科矯正歯科医院ホームページ
当院の矯正治療の症例写真を見ることができるホームページです