出っ歯(上顎前突)が気になる8歳の小児の咬合育成と咬合誘導 album 186

今回の症例は、出っ歯を気にして来院した8歳の小児です。レントゲン(セファロ)分析では上顎骨の過成長は見られず、むしろ若干の劣成長の状態であることが解りました。従って、出っ歯(上顎前突)の原因は骨格的な問題はなく下顎骨の後退によると判断されました。奥歯のかみ合わせ(咬合平面)の角度を見ると顎関節の運動路(顆路)に対して差が少なく急峻であることから、歯ぎしりや咀嚼の時奥歯での咬合の干渉が強く下顎と顎関節の正常な成長を阻害しているようです。更に奥歯のかみ合わせの高さ(咬合高径)も低く前歯のかみ合わせが深すぎる過蓋咬合も見られ、顎関節がかなり圧迫されている状態も確認されます。このままでは、顎の関節に過大で不自然な力が加わり続け顎関節症になるリスク高まります。そこで、奥歯のかみ合わせの高さ(咬合高径)を高くして顎の関節の負担を減少させ、咬合平面を適正化しながら筋機能矯正装置(トレーナーシステム)で咬合誘導・咬合育成を行うことに致しました。また、歯列を取り囲む筋肉のバランスを是正するため口腔筋機能療法(MFT)も合わせて行うようにしました。
それでは実際の治療をご覧下さい。

photo 966

後方に押し込まれて後退した下顎が徐々に前方に誘導され出っ歯が自然に改善して行く様子をご覧ください。顎の骨の発育が期待出来る小児のでっぱ(上顎前突)の治療は、上の歯を抜歯することなく下顎を前方に誘導する治療により根本的に改善する事が出来ます。下顎の前方成長を促すためには咬合平面と咬合高径の適正化がとても重要となります。

photo 967

後方に押し込まれて後退した下顎が徐々に前方に誘導され出っ歯が自然に改善して行く様子をご覧ください。顎の骨の発育が期待出来る小児のでっぱ(上顎前突)の治療は、上の歯を抜歯することなく下顎を前方に誘導する治療により根本的に改善する事が出来ます。下顎の前方成長を促すためには咬合平面と咬合高径の適正化がとても重要となります。

photo 968

深すぎる咬み合わ(過蓋咬合)せが改善して下顎が前方に誘導され、その後萌出してきた永久歯の犬歯が筋肉のバランスが取れた位置に自然に誘導されました。

photo 969

左上に萌出してきた犬歯は十分にスペースが確保されていますので、このまま自然に誘導されていくことが予想されます。

photo 970

深すぎる咬み合わせ(過蓋咬合)が改善され、萌出してきた永久歯の犬歯が八重歯になることなく筋肉のバランスが取れた場所へ誘導されていきます。

photo 971

初診時は永久歯の犬歯の萌出スペースが不足していましたが、筋肉の力で顎が拡大され自然に八重歯になることなく犬歯が並んでいきます。

photo 972

深すぎる咬み合わせ(過蓋咬合)のため、下顎の前歯が舌側に押し込められています。過蓋咬合の改善に伴い歯軸が改善し筋肉のバランスの取れた位置へ後続永久歯が誘導されていく様子をご覧下さい。

<補足>
矯正治療には、いくつかのリスクと副作用が有ります。
矯正治療をお考えの方は、下記の記事をご参照ください。
「矯正歯科治療で生じうるリスクや副作用について」(クリックHere)

<参考>
「矯正症例集閲覧に当たって」(クリックHere)
「顎が小さくて歯が並ばない時の対処法」(クリックHere))

 

過去の症例はこちら

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA