すきっ歯と出っ歯を気にして来院した小学校2年生の小児 album 195

今回の症例は、すきっ歯と出っ歯を気にして来院した小学校2年生の小児です。習慣性の口呼吸が見られ異常な嚥下癖により下顎が後退して相対的な出っ歯(上顎前突)を呈していました。また、かみ合わせもかなり深く過蓋咬合の状態でした。この様な状態では、顎関節の圧迫が強く正常な発育は望めないと思われました。そこで正しい舌のポジションを覚えて貰うため口腔筋機能療法(MFT)を行いながら、上顎を拡大して舌が口蓋に収まる大きさを確保するようにしました。上顎の大きさを拡大すると後方に押し込められた下顎は2㎜ほど前方に位置するようになると言われています。更に下顎を前方に適応させるには、奥歯のかみ合わせ(咬合高径)を高くして奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化する必要があるので、上下顎に2×4のワイヤーを装着しました。その結果、深い咬み合わせ(過蓋咬合)と出っ歯(上顎前突)を改善する事が出来ました。また気になるすきっ歯も改善致しました。それでは実際の1期治療をご覧下さい。

<参考>

「矯正症例集閲覧に当たって」(クリックHere)

「顎が小さくて歯が並ばない時の対処法」(クリックHere))

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咬合高径と咬合平面の適正化により下顎が前方に適応して出っ歯が改善して行く様子をご覧下さい。舌の挙上トレーニングと口唇を閉じる筋肉を鍛えることはとても大切です。

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咬合高径と咬合平面の適正化により下顎が前方に適応して出っ歯が改善して行く様子をご覧下さい。舌の挙上トレーニングと口唇を閉じる筋肉を鍛えることはとても大切です。

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ワイヤー矯正治療ですきっ歯を改善しながら咬合平面と咬合高径を適正化して咬合誘導・咬合育成を行っています。口腔筋機能療法(MFT)を継続して行う必要があります。

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ワイヤー矯正治療ですきっ歯を改善しながら咬合平面と咬合高径を適正化して咬合誘導・咬合育成を行っています。口腔筋機能療法(MFT)を継続して行う必要があります。

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上顎の大きさが狭いと下顎は前方に行くことは出来ません。拡大床で歯槽骨形態修正をする骨はとても意味があります。

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下顎の前歯部に叢生(凸凹)が見られます。そこで拡大床で歯硬骨の形態修正を行い、その後2×4システムで下の前歯のねじれを改善しました。

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すきっ歯が改善され下顎も大分前方に適応させ深い咬み合わせも改善することが出来ました。過蓋咬合の治療は治療後にかみ合わせが再び深くなる傾向がありますので、オーバートリートメントした浅いかみ合わせに仕上げています。しかし、経過を見ていくと下顎が徐々に左側にズレて来ました(顎偏位)。また、奥歯のかみ合わせも未だ緊密で安定した状態になっていません。今後は筋機能矯正装置(トレーナーシステム)により口腔の筋肉のバランスを整えながら口腔筋機能療法(MFT)を継続して行い、更なる咬合誘導・咬合育成が必要です。しかし、それでも改善が見られないときは仕上げの2期治療が必要となる可能性があります。

<補足>
矯正治療には、いくつかのリスクと副作用が有ります。
矯正治療をお考えの方は、下記の記事をご参照ください。
「矯正歯科治療で生じうるリスクや副作用について」(クリックHere)

過去の症例はこちら

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