正常な顎の成長発育を誘導し非抜歯で出っ歯を治す album 209

<今日の症例のポイント>
成長発育が期待出来る子供の小児矯正において、奥歯のかみ合わせ(咬合平面)・奥歯の高さ(咬合高径)を適正化して、下顎の成長発育を促し下顎を前方に適応させることにより非抜歯で深すぎる咬み合わせ(過蓋咬合)と出っ歯(上顎前突)を改善する事が出来る可能性があります。

出っ歯(上顎前突)には色々なパターンがあります。
①上顎が過剰に前方発育し、下顎の発育は普通または劣成の骨格的な上顎前突
②上顎の前方発育は普通または劣成長であるが、下顎の前方発育が悪く相対的な上顎煙突
③上下顎の骨の前方成長が共に過剰な上下顎前突(バイマキ)
④上下顎の前歯の歯軸傾斜による歯性の上顎前突
これらの組み合わせによる上顎前突もあります。
この中で最も難しい重度のケーズは上顎の前方成長が過剰で下顎の前方発育が劣成長な場合です。こうなると抜歯矯正や外科矯正を考える必要があります。
しかし、顎の成長発育で遺伝的な要因はコントロール不可能ですが、子供の小児矯正において上顎の成長発育をできるだけ抑えて下顎の前方成長を促進するように咬合誘導・咬合育成をする事により重度の骨格的な上顎前突にならないようにする事で非抜歯矯正治療で出っ歯を改善する事が出来ます。
当院で行っている咬合誘導・咬合育成法としては
①筋機能矯正装置を用いた口腔周囲筋のバランスの改善
②習慣性口呼吸から鼻呼吸へ改善できるように改善可能な要因を修正する→上顎の大きさが狭いと舌が上顎の口蓋に収まりません。舌を挙上するトレーニングだけではなく、上顎の歯槽骨形態修正を行い舌が収まるスペースの確保を初めに行っています。舌が喉の奥の法に沈下している人は、気道が狭くなり習慣性の口呼吸となっていることが多いのです。舌が正しい位置に納まっていることは、不正咬合を予防し改善する上でとても大切な要因と考えています。
③奥歯のかみ合わせ高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)の適正化→下顎と顎関節の正常な成長発育を促す
それでは実際の治療をご覧下さい。

photo 1106

初診時、出っ歯と前歯のねじれとすきっ歯が気になり来院した小学校2年生の小児です。
矯正学的な問題点は
①過蓋咬合(前歯のかみ合わせが深すぎる)
②上顎前突(上顎骨の前方成長は普通ですが、下顎の前方成長が悪く後方に押し込まれた状態)
③上顎中切歯の相対捻転(前歯がねじれている)
④上下顎叢生(上下顎共に歯の大きさに対して顎の大きさが小さいため、歯が並ばない)
⑤上顎前歯が唇側に傾斜している(歯性の上顎前突)
子供の小児矯正では顎の成長発育が期待出来ますので、咬合高径と咬合平面を適正化して積極的に下顎の前方成長を促すように咬合誘導・咬合育成をしています。

奥歯のかみ合わせ(咬合平面)が下顎の動き(顆路)に対して急斜面過ぎるので、顎関節に圧迫が加わり下顎の前方成長も阻害されています。咬合平面をフラット化する事により下顎の前方成長を誘導し、前方に適応させました。この事により顎関節の圧迫が改善され顎関節症になるリスクが少なくなり上顎前突を非抜歯で治療可能となります。

咬合高径と咬合平面を適正化して、下顎の成長発育を誘導しています。徐々に下顎が前方に適応していく様子をご覧下さい。

photo 1107

奥歯のかみ合わせ(咬合平面)が下顎の動き(顆路)に対して急斜面過ぎるので、顎関節に圧迫が加わり下顎の前方成長も阻害されています。咬合平面をフラット化する事により下顎の前方成長を誘導し、前方に適応させました。この事により顎関節の圧迫が改善され顎関節症になるリスクが少なくなり上顎前突を非抜歯で治療可能となります。

咬合高径と咬合平面を適正化して、下顎の成長発育を誘導しています。徐々に下顎が前方に適応していく様子をご覧下さい。

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咬合高径と咬合平面を適正化して、下顎の成長発育を誘導しています。徐々に下顎が前方に適応していく様子をご覧下さい。

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咬合高径と咬合平面を適正化して、下顎の成長発育を誘導しています。徐々に下顎が前方に適応していく様子をご覧下さい。

photo 1110

舌が正しい口蓋の位置に収まるためのスペースを確保する為に、歯槽骨の形態修正を行い顎を広げています。

photo 1111

上顎に合わせて下顎も永久歯が並ぶ為のスペースを確保する為に顎を広げて拡大しています。

photo 1112

深い咬み合わせが改善し前歯のねじれも改善しました。

 

<参考>

「矯正症例集閲覧に当たって」(クリックHere)

過去の症例はこちら

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