受け口(反対咬合)なんて怖くない album 230

受け口(反対咬合)の治療は、顎の成長発育を考慮しながら行って行くことが大切です。その為、治療が長期間に及ぶ場合があります。今回紹介する症例は、受け口を気にして来院した小学校2年生の小児です。初診時に反対咬合に伴う顎偏位(下顎が2㎜ほど左にずれている)が見られました。2年ほどの通院で反対のかみ合わせと顎偏位を改善しました。その後は、定期検診で顎の成長発育を観察していく事に致しました。通常は、後戻り防止のためにリテーナーを入れたり、筋機能矯正装置で顎の成長発育をコントレールしていくことが多いのですが、このケースでは如何しても装置を治療後に使い続けることが出来ず能動的な咬合誘導・咬合育成が行えませんでした。しかし、反対のかみ合わせが改善して前歯で美味しく食事が出来るようになった事により、自然に噛む回数も増えて筋肉のバランスが整っていきました。その結果、特別な治療をする事なく安定して美しいかみ合わせが出来上がりました。この症例から1期治療で正常なかみ合わせを獲得し機能回復が出来た後は、しっかりよく噛んで食事をすることがとても大切であることが分かると思います。
美しい機能的な歯並びは、正しい呼吸(鼻呼吸)、姿勢、舌の位置、口腔周囲筋のバランスがとても大切です。
反対のかみ合わせが改善したら前歯でかみ切り・奥歯でしっかり咀嚼するだけで美しい歯並びを作り上げることができる可能性があります。
受け口の治療は決して恐ろしくはありません。反対のかみ合わせは出来るだけ早期に改善し、後はよく噛んでしっかり食事をしましょう。
但し、ためらって治療を放棄すると下顎がどんどん発育して上顎の成長が抑制され骨格的な問題が大きくなり、やがては顔が歪んで顎変形症になる場合があります。そうなると外科矯正(顎切り)で対応することになります。治療前後の写真をご覧下さい。

先ずは、できるだけ早めに反対のかみ合わせを改善しましょう。後はよく噛んで食事をしましょう。歯並びは飾りではありません。しっかり良く噛める機能が大切です。それでは当院の機能矯正の治療経過を見ていきましょう。

<参考>

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奥歯のかみ合わせの高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化し下顎を後方に適応させました。下顎のずれ(顎偏位)の再発もなく、口腔周囲筋とのバランスが整った歯並びを獲得できました。1期治療で反対のかみ合わせを改善した後、前歯でかみ切り奥歯でしっかり咀嚼して食事をしましょう。
(ただし、遺伝的な要因が強いと下顎が成長ホルモンの影響でどんどん発育して重度な骨格的な反対咬合に発展していく場合もあります、そのようなケースでは、2期治療で外科矯正で対応する場合があります)

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奥歯のかみ合わせの高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化し下顎を後方に適応させました。その後はよく噛んで食事をしましょう。

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奥歯のかみ合わせの高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化し下顎を後方に適応させました。その後はよく噛んで食事をしましょう。

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下顎が徐々に後退し、上顎が前方に発育していく様子をご覧下さい。

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下顎が徐々に後退し、上顎が前方に発育していく様子をご覧下さい。

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初診時、前後に潰れた歯並びが徐々に改善し上顎が成長発育していきます。自然に永久歯の犬歯が並ぶスペースが出来上がり、八重歯を回避することが出来ました。

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下顎の過成長がコントロールされ、美しい歯並びが出来上がっていく様子をご覧下さい。機能的な歯並びは美しいものです。

<参考>

「矯正症例集閲覧に当たって」(クリックHere)

過去の症例はこちら

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