前歯が内側から萌出してきたら早めの治療がお勧め【album 337】

乳歯が抜けて下から後続永久歯が萌出してきますが、内側から出て来ることがあります。そんな場合は、ためらわず矯正歯科医院に相談して下さい。小学校5年生ぐらいの時に永久歯の犬歯が萌出していきますが、この後に矯正治療を開始すると治療が複雑になり治療期間がかかります。今回は、犬歯が萌出してから来院した小児の側切歯交叉咬合(咬み合わせが逆)の実際の治療をご覧頂きます。ワイヤー矯正治療で奥歯の後方移動が必要となり治療期間も必要となります。犬歯が萌出する前に交叉咬合を改善し犬歯の萌出スペースを確保してしっかり前歯で噛んで食事が出来る環境を整え、上顎骨の成長発育を促す治療をすることはとても大切です。なぜなら、上顎骨の成長発育は10歳位までとなりますので上顎骨の発育を促す治療は出来るだけ早期でなければ実現出来ないからです。それに対して、下顎の成長発育は男女差があります。女子は14歳位・男子は18歳位まで顎骨は発育します。従って、仕上げの治療を行う時期も男女差があります。女子は早めに仕上げることは出来ますが、男子は長期の咬合誘導・咬合育成が必要となります。
それでは治療前後の写真をご覧下さい。

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前歯の歯並びを気にして来院した小学校6年生の男子です。既に、上顎骨の成長発育期は終了していますので、歯を支える歯槽骨の形態修正並びにワイヤー矯正による奥歯の後方移動が必要となりました。咬合高径・咬合平面を適正化して下顎の位置を誘導しましたが、未だ下顎の成長発育は続きますので今後の継続した咬合誘導・咬合育成が必要となります。
それでは、実際の治療経過をご覧下さい。

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ワイヤー矯正で咬合高径・咬合平面を適正化し奥歯を後方移動して交叉咬合を改善しました。その後は、筋機能矯正装置をリテーナー代わりに使用して、継続して交互育成・咬合誘導を行っています。舌の位置が不正で習慣性の口呼吸が認められましたので、舌の挙上訓練塔の筋トレを継続して行っています。

<参考>

子供の矯正歯科治療で安定したかみ合わを得るには筋トレが大切 album 213

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ワイヤー矯正で歯列を整え、その後筋機能矯正装置を使用して咬合育成・咬合誘導を行っています。

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交叉咬合の改善に伴い右側にずれていた(顎偏位)下顎の位置も自然に改善されました。

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咬合平面・咬合高径の適正化により、咬合誘導・咬合育成を行っています。

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咬合平面・咬合高径の適正化により、咬合誘導・咬合育成を行っています。

photo 1953

咬合平面・咬合高径の適正化により、咬合誘導・咬合育成を行っています。

photo 1954

咬合平面・咬合高径の適正化により、咬合誘導・咬合育成を行っています。

 

<参考>

過去の症例はこちら

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