歯を抜かない矯正の八重歯治療について【album 338】

今回は、永久歯の犬歯の萌出スペースが少ない場合、歯を抜かないでどのようなアプローチで矯正治療を行うか考えてみたいと思います。前歯の歯並びを気にして来院した小学校3年生の症例の治療方を見ていきます。
矯正学的な主な問題点は
①側切歯の交叉咬合
②上顎骨の劣成長
③下顎事の過成長
④永久歯の大きさに対して顎の大きさが小さい(叢生)
⑤口呼吸
⑤口腔周囲筋と歯列のバランス不良
等です。
口呼吸・口腔周囲筋のバランス是正のため、上顎の大きさを広げ舌が正しい位置(スポット)に納まるように、舌の挙上訓練等のMFT(口腔筋機能療法)を継続して行っています。

<参考>

子供の矯正歯科治療で安定したかみ合わを得るには筋トレが大切 album 213

治療前後の写真をご覧下さい。

photo 1955

先ず顎の大きさが小さいので、とりはずし式の拡大床で顎の大きさを広げました。その後、ワイヤー矯正で奥歯の高さ(咬合高径)・奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を最適化して機能的な咬合を確立しました。顎骨・顎関節が成長発育途上にある小児は、適切な咬合誘導・咬合育成により正常な顎の発育を促す事により、非抜歯で機能的な咬合を獲得することができる可能性が十分にあります。
それでは実際の治療経過をご覧下さい。

photo 1956

初めに顎の大きさを拡大しワイヤー矯正で咬合平面・咬合高径を最適化して咬み合わせを作っていきました。

photo 1957

犬歯を並べるためにワイヤー矯正で奥歯を後方移動しています。

photo 1958

歯槽骨形態修正により上顎のアーチの大きさに合わせてワイヤー矯正で咬み合わせを作りました。

photo 1959

下顎の位置を調整するために咬合平面を最適化しています。

photo 1960

下顎の位置を調整するために咬合平面を最適化しています。

photo 1961

咬合高径・咬合平面を最適化して咬合誘導・咬合育成し咬み合わせを作っていきます。

photo 1962

咬合高径・咬合平面を最適化して咬合誘導・咬合育成し咬み合わせを作っていきます。

 

<参考>

過去の症例はこちら

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