右下の中切歯が反対のかみ合わせ(下顎中切歯交叉咬合) album 166

顎の形は何処まで変えられるのか!
(歯槽骨形態修正の実際) その 45

今回は、上下の顎が小さいため右下の中切歯が反対のかみ合わせ(下顎中切歯交叉咬合)になっている小児の症例です。このままこの状態を放置すると、かみ合わせによる異常な力が右下の中切歯に加わり続け歯を支える歯槽骨が破壊され歯肉が退縮して歯根露出を起こす恐れがあります。初診時、歯肉の状態を見ると既に下顎の左右の中切歯の歯肉の位置が異なって、右下中切歯の歯肉の退縮が起こっていました。
当院の治療法は、
①顎の大きさと前歯の歯の大きさのアンバランスを改善するため、取り外しの拡大装置で歯槽骨の形態修正
②マウスピース型矯正装置(トレーナーシステム)で、前歯のかみ合わせを改善
③永久歯が全て揃うまで咬合誘導・咬合育成
④口腔筋機能療法(MFT)
の4つです。
それでは実際の治療経過をご覧下さい。

<追伸>
当院の「歯を抜かない矯正歯科の症例写真」です。
このalbumシリーズのコンセプトはalbum1に掲載しています。

歯列矯正治療をお考えの方、是非ご覧ください。
「albumシリーズのコンセプト(2019年3月17日掲載)」

<参考>

子供の矯正治療をスタートする目安 その 1
「生え代わりの時期が来ても、上顎の乳前歯の間に隙間(発育空隙)がない時」
(クリックHere)

子供の矯正治療をスタートする目安 その 2
「不正咬合に気が付いたとき」
(クリックHere)

なぜ歯並びを治した方が良いの?
歯並びを治すと色々と良いことが・・・(矯正治療のメリット)
(クリックHere)

歯並びが悪い(不正咬合)とは?
不正咬合の種類と問題点
(クリックHere)

photo 836

歯槽骨の形態修正を行い全ての前歯が並ぶスペースを確保し、その後トレーナーシステムにて咬合誘導・咬合育成を行いました。

小児矯正(子供の矯正)咬合誘導 咬合育成 マウスピース型矯正 歯を抜かない非抜歯矯正

photo 837

下の歯の歯列が徐々に大きく拡大されて、バランスがとれた綺麗なアーチになっていく様子をご覧下さい。トレーナーシステムによって、口腔の筋肉のバランスがとれた位置に歯が移動していきます。

小児矯正(子供の矯正)咬合誘導 咬合育成 マウスピース型矯正 歯を抜かない非抜歯矯正

photo 838

初診時、右下の中切歯が唇側に飛び出し歯肉が退縮しています。歯槽骨形態修正で顎を広げた後、トレーナーシステムによって歯が筋肉の力によって再配列されていきました。

小児矯正(子供の矯正)咬合誘導 咬合育成 マウスピース型矯正 歯を抜かない非抜歯矯正

photo 839

初診時、右下の中切歯のかみ合わせが反対(交叉咬合)になっています。その為、異常な力が右下の中切歯に作用しています。このままでは咬合性外傷によって歯肉の退縮が進行し、歯根が露出してしまいます。治療が進むに従って、下顎の左右の中切歯の歯肉の位置が揃ってきました。

小児矯正(子供の矯正)咬合誘導 咬合育成 マウスピース型矯正 歯を抜かない非抜歯矯正

photo 840

左側の犬歯の萌出時期が右側より遅いのが解ります。右側の犬歯が既にかみ合っているにもかかわらず、左側の犬歯は未だ萌出していません。photo 839をご覧下さい。上顎の真ん中と下顎の真ん中がずれています。この理由は、左上の顎の発育が右側に比べ遅れているためと考えられます。したがって、このまま咬合誘導・咬合育成を続けていけば上下顎の正中があってくることが考えられますので、経過を見ていくことにしました。

小児矯正(子供の矯正)咬合誘導 咬合育成 マウスピース型矯正 歯を抜かない非抜歯矯正

photo 841

初診時、下顎の中切歯が唇側に飛び出しています。トレーナーシステムによって下顎の成長が促され上下顎の顎の位置が修正されていきます。
トレーナーシステムは主に就寝時に使用します。当院では、この装置の使用と口腔筋機能療法(MFT)を併用しています。

photo 842

下顎の位置が治療経過と共に変化していきます。最終的には理想的な位置関係を獲得できました。

矯正症例集閲覧に当たって
顎の大きさを歯槽骨の形態修正によって大きく広げ、適切な咬合誘導・咬合育成を行えば、成長発育期の小児の場合、顎の骨の成長発育を促す事は出来ます。
また、顎骨や顎関節の成長発育が期待出来ない成人においても、ある程度までなら歯槽骨の形態修正によって顎を広げて、歯を並べるスペースを確保することができます。
但し、個人個人の顎の形態・大きさ・歯槽骨の幅・歯軸等は異なりますので、歯槽骨の形態修正には限界があります。
全ての症例が、非抜歯で矯正できるわけではありません。
現在当院では、「できるだけ歯を抜かない非抜歯矯正治療」を実践するために、最新の歯科用CTを導入し、歯の移動を制限する様々な解剖学要因(歯槽骨の幅・歯根の3次元的な位置・顎l骨の3次元的形態・歯根尖と切歯管の3次元的な位置関係等)を慎重に分析しています。

顎が小さくて歯が並ばない時の対処法
①顎を徐々に広げる側方拡大(歯槽骨形態修正)
②臼歯を後方移動
③歯の間をやすりで削り(最大で約0.5㎜)スペースを創るIPR(InterProximal Reduction)
④小臼歯を抜歯して歯を並べる
⑤急速拡大(上顎の正中口蓋縫合が未だ癒着していない小児の上顎を急速に広げ、縫合を開いて新生骨を添加する)
の5つの方法があります。
当院では主に①②③の方法を採用しています。
(上顎大臼歯に近心回転が認められる時は、その改善もスペース獲得には有効)

矯正治療には、いくつかのリスクと副作用が有ります。
矯正治療をお考えの方は、下記の記事をご参照ください。
「矯正歯科治療で生じうるリスクや副作用について」(クリックHere)

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