上下顎共に顎の大きさに対して歯の大きさがアンバランス album 167

顎の形は何処まで変えられるのか!
(歯槽骨形態修正の実際) その 46

今回の症例は、上下顎共に顎の大きさに対して歯の大きさがアンバランスを起こしています。
また、右上の中切歯が舌側から萌出したため右下の中切歯とのかみ合わせが反対(交叉咬合)になり舌の中切歯が唇側に押し出されて異常な咬合力が働いています。その為、右下の中切歯は左下の中切歯に比べて歯肉の退縮が見られます。このまま放置すると歯を支える歯槽骨が破壊されて歯根が露出する事が考えられます。
当院の治療計画は、
①歯槽骨の形態修正をして顎の大きさを広げる
②部分的なワイヤー矯正(2×4 ツーバイフォー)によって歯並びを整える
③1次治療終了後は、マウスピース型矯正装置(トレーナーシステム)にて、咬合誘導・咬合育成を行う
④MFT(口腔筋機能療法)により、口腔の筋肉のアンバランスを改善する
の4項目です。
それでは実際の症例をご覧下さい。

<追伸>
当院の「歯を抜かない矯正歯科の症例写真」です。
このalbumシリーズのコンセプトはalbum1に掲載しています。

歯列矯正治療をお考えの方、是非ご覧ください。
「albumシリーズのコンセプト(2019年3月17日掲載)」

<参考>

子供の矯正治療をスタートする目安 その 1
「生え代わりの時期が来ても、上顎の乳前歯の間に隙間(発育空隙)がない時」
(クリックHere)

子供の矯正治療をスタートする目安 その 2
「不正咬合に気が付いたとき」
(クリックHere)

なぜ歯並びを治した方が良いの?
歯並びを治すと色々と良いことが・・・(矯正治療のメリット)
(クリックHere)

歯並びが悪い(不正咬合)とは?
不正咬合の種類と問題点
(クリックHere)

photo 843

右上の中切歯が舌側に萌出しています。歯列のアーチフォームが尖形で全ての前歯を配列できません。
先ず、歯槽骨形態修正をして顎を広げ形態を整えました。その後部分的なワイヤー矯正で1次治療を行いました。
1次治療終了後は、トレーナーシステムにて咬合誘導・咬合育成を継続して行っています。徐々に歯が口腔の筋肉のバランスがとれた場所に移動してナチュラルなアーチフォームが完成しました。

小児矯正(子供の矯正)咬合誘導 咬合育成  ワイヤー矯正 マウスピース矯正
歯を抜かない非抜歯矯正

photo 844

上顎同様に下顎の大きさも小さいため前歯が並びません。歯槽骨形態修正をして顎を広げてから部分的なワイヤー矯正で歯並びを整えました。

小児矯正(子供の矯正)咬合誘導 咬合育成  ワイヤー矯正 マウスピース矯正
歯を抜かない非抜歯矯正

photo 845

右下の中切歯の歯肉が左下に比べ退縮しています。1次治療を行って咬合誘導・咬合育成を行ったところ、徐々に歯肉の退縮が改善して左右の歯肉の位置が同じになりました。小児矯正では、この様に歯肉の退縮が改善する事は良くあますが、成人矯正では中々歯肉の改善は見られません。この様な反対かみ合わせは、歯の歯周組織にダメージ(咬合性外傷)を与えますので発見次第ご相談ください。

photo 846

右下の中切歯が唇側に押し出されて歯肉の退縮が見られます。1次治療後八重歯になりそうになりましたが、トレーナーシステムで咬合誘導・咬合育成を行ったところ改善されました。

photo 847

トレーナーシステムとMFT(口腔筋機能療法)により徐々に歯並びが整っていく様子をご覧下さい。

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トレーナーシステムとMFT(口腔筋機能療法)により、上下の顎の位置関係と歯軸が適切に誘導されていく様子をご覧下さい。

photo 849

トレーナーシステムとMFT(口腔筋機能療法)により、上下の顎の位置関係と歯軸が適切に誘導されていく様子をご覧下さい。

矯正症例集閲覧に当たって
顎の大きさを歯槽骨の形態修正によって大きく広げ、適切な咬合誘導・咬合育成を行えば、成長発育期の小児の場合、顎の骨の成長発育を促す事は出来ます。
また、顎骨や顎関節の成長発育が期待出来ない成人においても、ある程度までなら歯槽骨の形態修正によって顎を広げて、歯を並べるスペースを確保することができます。
但し、個人個人の顎の形態・大きさ・歯槽骨の幅・歯軸等は異なりますので、歯槽骨の形態修正には限界があります。
全ての症例が、非抜歯で矯正できるわけではありません。
現在当院では、「できるだけ歯を抜かない非抜歯矯正治療」を実践するために、最新の歯科用CTを導入し、歯の移動を制限する様々な解剖学要因(歯槽骨の幅・歯根の3次元的な位置・顎l骨の3次元的形態・歯根尖と切歯管の3次元的な位置関係等)を慎重に分析しています。

顎が小さくて歯が並ばない時の対処法
①顎を徐々に広げる側方拡大(歯槽骨形態修正)
②臼歯を後方移動
③歯の間をやすりで削り(最大で約0.5㎜)スペースを創るIPR(InterProximal Reduction)
④小臼歯を抜歯して歯を並べる
⑤急速拡大(上顎の正中口蓋縫合が未だ癒着していない小児の上顎を急速に広げ、縫合を開いて新生骨を添加する)
の5つの方法があります。
当院では主に①②③の方法を採用しています。
(上顎大臼歯に近心回転が認められる時は、その改善もスペース獲得には有効)

矯正治療には、いくつかのリスクと副作用が有ります。
矯正治療をお考えの方は、下記の記事をご参照ください。
「矯正歯科治療で生じうるリスクや副作用について」(クリックHere)

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