すきっ歯と出っ歯(上顎前突)を気にして album 182

今回の症例は、すきっ歯と出っ歯(上顎前突)を気にして来院した小学校2年生の小児です。
矯正学的問題点は
①前歯のかみ合わせが反対(左右上顎側切歯交叉咬合
②前歯のかみ合わせが深すぎる(過蓋咬合
③出っ歯(上顎前突
④前歯の歯並びが凸凹(叢生
⑤下顎が左に2㎜ずれている(顎偏位
⑥前歯がすきっ歯(正中離開
⑦八重歯になりそう(永久歯の犬歯の萌出スペース不足
といったところでしょう。
顎の骨の成長発育期の小児の場合、下顎のずれ(顎偏位)を放置すると顔が曲がる顎変形症になる恐れがあります。下顎のずれに気が付いたら出来るだけ早期に矯正治療を開始することが大切です。初めのうちは前歯のかみ合わせが悪いために下顎が側方に誘導され機能的な顎のずれだけですが、放置するとやがては骨格的な問題となり外科矯正(顎切り)を併用した矯正治療が必要になる場合もあります。また、咬み合わせが深すぎる(過蓋咬合)場合、下顎の前方成長を阻害し、顎関節にもダメージを与えます。その為、出っ歯(上顎前突)や顎関節症になることもあります。前歯のすきっ歯に関しては息が漏れて発音が不明瞭になる事もあります。その他、不正咬合を放置すると様々な問題が起こってきます。詳しくはなぜ歯並びを治した方が良いの?」「歯並びが悪い(不正咬合)とは?」に掲載していますのでご一読願います。
それでは実際の治療をご覧下さい。

<追伸>
当院の「歯を抜かない矯正歯科の症例写真」です。
このalbumシリーズのコンセプトはalbum1に掲載しています。

歯列矯正治療をお考えの方、是非ご覧ください。
「albumシリーズのコンセプト(2019年3月17日掲載)」

photo  938

前歯のかみ合わせが深すぎ(過蓋咬合)上顎の側切歯が両側共に反対のかみ合わせになっています。また、下顎が左に2㎜ほどずれています。顎関節に負担が掛からないように奥歯のかみ合わせ(咬合高径)を高くして奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を顎の動きを分析して適正化する事により改善しました。その後、全ての永久歯が生えそろうまで筋機能矯正装置(トレーナーシステム)で咬合誘導・咬合育成を行っています。永久歯の犬歯が萌出してきたときに八重歯になりそうでしたが、自然に改善致しました。これは予め1期治療の時、ワイヤー矯正(2×4システム)で犬歯の萌出スペースを確保するために奥歯を後方に移動していたことによってもたらされた結果と考えられます。下顎のずれ(顎偏位)に関しては、一時ほぼ改善しましたが経過観察していると再び左側にずれてきました。したがって、これを改善するためには仕上げの2期治療が必要と説明致しました。しかし、特にかみ合わせや機能に問題が起こっていないことから治療の希望がありませんでした。

photo 939

ワイヤー矯正で前歯を並べてから、永久歯の犬歯のスペース確保と出っ歯の改善のために奥歯を後方移動しています。

photo 940

筋機能矯正装置(トレーナーシステム)で凸凹の前歯が改善し、筋肉のバランスの良いところへ歯が移動しました。

photo 941

奥歯のかみ合わせの高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化する事により、下顎が前方に発育して誘導されていく様子路ご覧下さい。

photo 942

奥歯のかみ合わせの高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化する事により、下顎が前方に発育して誘導されていく様子路ご覧下さい。

photo 943

奥歯のかみ合わせの高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化する事により、下顎が前方に発育して誘導されていく様子路ご覧下さい。

photo 944

奥歯のかみ合わせの高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化する事により、下顎が前方に発育して誘導されていく様子路ご覧下さい。

<補足>
矯正治療には、いくつかのリスクと副作用が有ります。
矯正治療をお考えの方は、下記の記事をご参照ください。
「矯正歯科治療で生じうるリスクや副作用について」(クリックHere)

<参考>
「矯正症例集閲覧に当たって」(クリックHere)
「顎が小さくて歯が並ばない時の対処法」(クリックHere))

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